麻生副総裁が失言「原発死亡事故ゼロ」官房長官「発生している」

 自民党の麻生太郎副総裁(82)が、15日に福岡県飯塚市で行った講演で、原子力発電について「最も安く、安全で安心な(電気の)供給源」とした上で「原発は危ないというが、死亡事故が起きた例はゼロだ」と強調したことへの波紋が広がっている。松野博一官房長官(60)は17日の記者会見で「直接放射線障害で亡くなった事例はないと認識している」としつつ「原発の敷地内で労働災害などによる死亡事故は発生している」と指摘。野党は18日、一斉に麻生発言を批判した。

 麻生氏は講演で「原発が使えないと電気料金が決定的に上がる」と指摘。「原爆と原発を一緒にして騒いでいる新聞もある」とも語った。原発に関しては、関西電力美浜原発3号機で2004年、配管の破裂による蒸気噴出事故が起き、作業員5人が死亡した。

 松野氏は会見で、1999年、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で発生した臨界事故に触れ「2人がお亡くなりになった」と述べ、「原発の死亡事故はあってはならない。痛ましい事故が発生しないよう安全最優先で事業者を指導する」と説明した。

 原発事故による死者を巡っては、高市早苗経済安全保障担当相(61)が自民政調会長だった13年に「東京電力福島第1原発で事故が起きたが、それによって死亡者が出ている状況ではない」と発言。原発事故を受けて避難中に死亡した方がいるなどと批判が出た。高市氏は撤回し陳謝した。

 野党は18日、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、麻生発言を「被災者の思いを逆なでするもので許し難い」(共産党の穀田恵二国対委員長)と一斉に批判した。

 立憲民主党の長妻昭政調会長は記者団に「全く見識がない。原発事故で避難途中、あるいはいろいろな状況で亡くなった方がおられる」と強調。「派閥の長だからと、言いたい放題になっている」と問題視した。

 日本維新の会の藤田文武幹事長は会見で「適切ではない。責任ある政治家は事実関係に基づいて発言すべきだ」と指摘。国民民主党の舟山康江両院議員総会長は「避難を余儀なくされている方がいる中、あたかも問題がないかのような発言は厳に慎むべきだ」とした。

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