英国チャールズ新国王がテレビ演説「愛するママ。ありがとう」君主としての決意を表明
英国のチャールズ新国王(73)は9日、エリザベス女王の死去に伴う即位後、初めて国民向けのテレビ演説に臨み「生涯を通じて忠誠心と敬意、愛情を持って皆さんに仕える」と述べ、君主としての決意を表明した。
演説はロンドンのバッキンガム宮殿で事前に収録され、新国王は、笑みを浮かべる女王の遺影の傍らに喪服姿で座り、国民に語りかけた。
70年の治世を終え、96歳で8日に死去した女王について「満たされた人生」を全うしたと回想。「喜びや悲しみ、喪失の時代の中でも君主としての情熱と献身の心が決して揺らぐことはなかった」とたたえ、「伝統への変わらぬ愛情」と「進歩を恐れぬ懐の深さ」を持って人々に尽くした生涯に敬意を示した。
演説の締めくくりには、2021年に死去した父親で、女王の夫でもある故フィリップ殿下に触れたうえで「愛するママ。パパのもとへ旅立つあなたに、ただ言いたい。ありがとう」と語りかけた。
また、エリザベス女王の国葬について、天皇陛下が参列するため、英国を訪問される方向で調整していることが政府関係者への取材で分かった。療養中の皇后さまも体調に支障がなければ同行する意向という。天皇の葬儀参列は異例。外国訪問には閣議決定が必要で、国事行為の臨時代行を置くことになり、宮内庁は政府と対応を検討する。
通常、天皇は皇室の慣例で国内外の葬儀には参列しない。1993年に在位中だった上皇ご夫妻がボードワン・ベルギー国王の国葬に参列したケースが初だった。
