東京五輪汚職事件また拡大 大広を捜索 高橋容疑者知人の会社に資金提供賄賂の疑い

 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部は5日、大阪市北区の広告会社大広を家宅捜索した。大広は大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=の知人が経営する東京都中央区のコンサルタント会社に資金提供しており、賄賂の疑いがあるとみて捜査している。また、高橋容疑者の知人が経営する会社に計7千万円を提供した出版大手KADOKAWAの角川歴彦会長(79)が取材に応じ、賄賂を渡したとの認識はないと説明した。

 高橋容疑者や知人は、サービス関連企業のスポンサー選定で大広を代理店として使うよう組織委側に求めたとされる。特捜部は東京都港区の東京本社も捜索した。

 五輪に関連し高橋容疑者側への不透明な資金提供が明らかになったのは、逮捕者が出た紳士服大手AOKIホールディングス(HD)、KADOKAWAに続き3社目。特捜部は高橋容疑者がスポンサー案件を巡り、組織委側に幅広く働きかけをしていたとみて調べている。

 高橋容疑者とAOKIHDの前会長青木拡憲容疑者(83)ら3人=贈賄容疑で逮捕=の勾留期限は6日。特捜部は大広やKADOKAWAからの資金提供についても立件を視野に検討する。

 関係者によると、サービス関連企業は2018年にスポンサーとなった。組織委と専任代理店契約を結んだ電通がスポンサーの募集を担っていたが、カバーできない場合には協力代理店を使うことができ、高橋容疑者の意向を受けた知人が組織委側に、この企業の窓口となっていた大広を協力代理店にするよう頼んだという。

 大広は知人の会社に資金提供したとされ、一部が高橋容疑者に渡った可能性がある。知人は電通のOBで、同社専務だった高橋容疑者の後輩に当たる。スポンサーは電通の提案を受けた組織委マーケティング局が事実上、選定していた。同局には電通からの出向者が多く在籍した。

 大広は捜査を受けていることを認め「全面的に協力していく」とするコメントを発表した。

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