山上容疑者「しんどい」5月勤務先退職 自宅に手製の銃数丁と新たな危険物

 安倍元首相が銃撃された現場付近で取り押さえられる山上徹也容疑者。手には凶器となった銃とみられるものを持っていた=奈良市
 爆発物の可能性に備え、重装備で家宅捜索の準備を進める捜査員=奈良市内
容疑者の自宅から爆発の可能性がある物体を押収する特殊車両=奈良市内
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 8日午前11時半頃、奈良市内で参院選の街頭演説をしていた自民党の安倍晋三元首相(67)が銃撃され、搬送先で午後5時3分に死亡が確認された。

 殺人容疑で逮捕された山上徹也(やまがみ・てつや)容疑者(41)は、奈良県内の公立高校に通った。3年で同級生だった女性(41)の話では、応援団に所属。口数が少なく人見知りの一面もあり「一人でいることが多かった」という。卒業アルバムには、将来の自分について「わからん。」と記していた。

 20代の頃には約3年間、海上自衛隊の任期制自衛官を経験した。政府関係者によると、海自に勤務したのは2005年まで1回分の任期。広島県の呉基地に所属していたとされる。防衛省によると、任期自衛官も小銃の分解組み立てや実弾射撃の訓練を受ける。

 大阪府内の人材派遣会社の関係者によると、20年秋、求人募集を見た山上容疑者は面接を受け、関西地方の製造業の会社に勤め始めた。今年4月、山上容疑者から「しんどい」などとして退職の申し出があり、5月に派遣先を退職したという。

 会社の関係者は仕事上のトラブルはなかったとし「口数は少ないが、攻撃的な感じにも見えない。政治的思想を感じたことはなく、事件と結びつかない」と戸惑った。

 奈良市内の自宅マンションでは家宅捜索が行われ、手製の銃のようなものを数丁押収。新たな危険物が見つかったとして住民や報道陣を避難させたが、午後10時半頃に解除された。

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