歌舞伎俳優・坂東竹三郎さん死去、89歳 関西を代表する名女方

 関西を代表する歌舞伎俳優の坂東竹三郎(本名・岡崎正二=おかざきまさじ)さんが17日、骨髄異形成症候群のため亡くなっていたことが21日、わかった。89歳。葬儀は既に家族葬で執り行われた。

 上方の生き字引的存在竹三郎さんは一般家庭に生まれ、昭和24年5月、尾上菊次郎の弟子となり尾上笹太郎を名のり大阪・中座で初舞台。昭和34年9月三代目坂東薪車(しんしゃ)と改名し名題昇進。昭和42年、五代目板東竹三郎を襲名した。

 関西に居を構える歌舞伎俳優の一人。若い頃から美貌の女方として鳴らし、近年は情愛深い母親や、格調高い武家の妻、意地悪な敵役までこなし、「封印切」のおえん、「吉田屋」のおきさをはじめとする上方の花車方を多く勤めた。またスーパー歌舞伎セカンド「ワンピース」の女医ベラドンナなど、新作歌舞伎でも存在感を見せていた。

 自主公演「坂東竹三郎の会」では復活狂言にも取り組み、珍しい演目を掘り起こしていた。またその人柄から多くの後輩に慕われ、片岡仁左衛門といった重鎮から、市川猿之助、中村壱太郎といった若手まで友情・ゲスト出演していた。

 また上方歌舞伎の振興と、後進の育成に注力。「若い方に教えることや、私の知識を語ることくらいはできる。使命というほどではありませんが、上方歌舞伎を残したい一心でやってました。わずかな力ですが、生きている限りは上方歌舞伎の力になれれば」と語っていた。

 昨年12月南座「雁のたより」の仲居お君が最後の舞台となった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス