原発性腹膜がんで闘病していた歌手の葛城ユキ（７２）が１７日、千葉・成田市内で、ユニットコンサートに出演し、昨年４月以来１年１カ月ぶりに復帰を果たした。ステージ４のがんで２度の手術をへて、昨年５月から１０カ月間に及んだ入院生活を、「一生懸命闘っていたので、１年早かった。コロナで面会者もいませんし、精神的な苦しみと体の痛みと闘って逃げ出したくても、帰る義務があったので頑張れました」と回想。体調については「しんどいですね。ちょっと動くと心拍数が上がって」と説明した。

　ライブでは車イスに座ったまま、カバー曲「ローズ」１曲のみの歌唱となったが、「歌うために生まれてきたので水を得た魚」と力強い歌声は健在。客席からの拍手を浴びて、「歌える葛城ユキに少しではありますが、戻ることができました。まだまだ本来の形じゃありませんが、元の葛城ユキに戻れるよう１歩１歩体力をつけて、歌い続けます」と完全復活へ意欲を示した。

　また、３月に脳梗塞で緊急入院した歌手・あべ静江（７０）も出演。前日に別のコンサートで復帰したが、「今は比較的元気ですが、おしゃべりと歌の両方を認めていただけるレベルに上げるのが課題」と自らに言い聞かせていた。