５月は行楽シーズン。人が快適に感じるのは、（個人差はありますが）気温２０℃、湿度５０％前後と言われています。ちょうどこの気象条件にあたるのが５月という地域が多いんですよね。

　この時期は日本有数の豪雪地帯「立山黒部アルペンルート」も開通し、一冬に積もった２０メートル近い雪の壁が姿を現します。

　以前、ここから生中継をしたのですが、山の天気は急変することを実感しました。番組が始まる前までは青空が見えて穏やかだったのですが、中継が始まるころには、もう吹雪どころか氷の粒が顔面に吹き付けてくる状況。一気に１０℃くらい気温も下がり、今まで感じたことのない地吹雪に、痛くて顔をしかめながら伝えました。

　ところが、雪ならまだしも吹き付けてくるのが氷の粒だからテレビ画面を通すと透明でよく見えないんですよね。さらに木も生えていないような場所だから風が吹いているのもよく分からなくて。

　大荒れの状況なのに画面上、しかめっ面をした“ただのやる気のない人”にも見えちゃってたみたいで…テレビって残酷だなと思いました（笑）。

　さらに悪天候のため、中継が始まって１０秒くらいで映像が映らなくなっちゃったんです。こうなったら最後の手段。電話で今の荒れた様子などを描写して一生懸命しゃべったんですが、この状況を分かっているはずの小倉さんが「あまたつは今、寒くなって暖かいホテルのロビーから電話をかけています（笑）」と。「そりゃないよ小倉さん！」と思いましたが、テレビが映らない中、最大限のフォローをしていただきました。

　そんな小倉さんは今月２５日で７５歳になります。病気をされましたが先日復帰して、会見でも相変わらずの小倉節で報道陣を笑わせていましたね。またテレビでの活躍を楽しみにしてます。

　◆天達武史（あまたつ・たけし）１９７５年生まれ。神奈川県横須賀市出身。高校時代は野球部に所属。２００２年に気象予報士試験に合格。０５年１０月からフジテレビ系「情報プレゼンターとくダネ！」、２１年３月から「めざまし８」のお天気を担当。