「知床遊覧船」社長27日会見 乗客の家族に説明へ 荒波も出航判断「いけると思った」

 北海道・知床岬先端付近の磯場を捜索する人たち(共同通信社ヘリから)
 説明会会場に向かうバスに乗り込む行方不明者の関係者ら=北海道斜里町
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 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=が遭難し11人が死亡、15人が行方不明になった事故で、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の社長が、27日午後に乗客の家族への説明と記者会見を行うと国土交通省などに伝えたことが26日、分かった。発生から4日。行方不明者の家族によると、社長は荒れた海への出航判断について「私はいけると思った」と話しているといい、説明会や会見での言葉に注目が集まる。

 発生から4日。カズワンの運航会社「知床遊覧船」の社長は、27日午後1時半に乗客の家族への説明を行い、同3時半に記者会見を開くと国土交通省などに伝えた。

 町や国土交通省による説明会は現地を訪れる家族が増えたのを受けて場所を変更し、斜里町内のホテルに広い会場を確保して開催。家族を乗せたとみられるバスは会場に入る際、窓のカーテンが全て閉められていた。「知床遊覧船」の社長は出席しておらず、説明不足の不満も。「きちんとした資料を出して分かりやすく説明を」との要望が出された。

 行方不明者の家族によると、地元漁師が出港を見合わせるほど強風で波が高かったにもかかわらず、社長はその判断について「私はいけると思った」と乗客の家族らに釈明したという。カズワンの豊田徳幸船長(54)は出港前、複数の知人から「やめておけ」と忠告されていた。

 また、カズワンについて「船の前方にひびが入っているのを見た」との証言もあるが、社長は「検査して問題がなかった」と説明し、ひびについては「軽い傷だった」と弁解。家族側は「もっと責任感を持って運航すべきだ」と伝えたという。1管は、業務上過失致死や業務上過失往来危険の疑いでの立件を視野に、出港の判断も含めた経緯を、国交省は特別監査で同社の安全管理に問題がなかったかを調べている。

 また、海保はカズワンから救助要請があった「カシュニの滝」付近の沖合で水深約30メートル、水中音波探知機(ソナー)に船体らしき反応があったと明らかにしたが、その後、ダイバーを潜らせて調べた結果、「少なくとも『カズワン』ではない」との見方を示した。海底の複雑な地形が反応した可能性もあり、慎重に確認を進める。

 船内に行方不明者が取り残されている可能性もあり、第1管区海上保安本部(小樽)はこの日、カシュニの滝付近の西側に加え、知床岬北側や東側の根室海峡で範囲を広げ、捜索を続けた。

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