「ショッピングモールの歌姫」半崎美子 夜間中学校に贈り物 開校式で作詞・作曲の校歌熱唱

 開校式で校歌を歌唱する半崎美子
 半崎美子が作詞作曲した校歌
2枚

 「ショッピングモールの歌姫」と呼ばれる、シンガー・ソングライターの半崎美子(41)が19日、北海道札幌市に新設された市立星友館中学校の開校式・入学式で、作詞・作曲した同校の校歌「私の物語」を歌唱した。故郷の北海道に初めて誕生した公立夜間中学に歌の贈り物をし、万雷の拍手に感涙。さまざまな事情で学ぶことができなかった10代から80代までの生徒66人の再出発を祝福した。

 コロナ禍で生徒との合唱はかなわなかったが、歌い上げると大きな拍手が鳴りやまない。目の前で泣いている生徒たち。その姿に「感動してしまって…」と自身も感涙し、何度も頭を下げた。

 17年の長い下積みを経験し、苦難を乗り越えてきた半崎だからこそ生徒の気持ちに寄り添えると、21年6月に校歌制作のオファーを受けた。地元の大学を中退して上京し、パン屋に住み込みで働きながらショッピングモールを巡った日々が36歳でのメジャーデビューにつながり、同校との縁が生まれた。

 コロナ禍での制作とあって最初は東京の夜間中学の周りを見学するところから取材を開始、関係者を通じて夜間中学の元教師で山田洋次監督の映画「学校」の主人公のモデルとなった見城慶和先生と対面。文字が書けず、指の包帯でケガを装い代筆を頼んだ生徒の苦悩などを知った。

 生徒たちの文集を読み込み、半崎は「文字を書けるようになっただけではなく、今まで言えなかったことが語れるようになったことで心を開いていく。それが尊いものだと思いました」と実感。星友館中学の入学生も取材し、同校の末原久史教頭は「生徒たちの中に苦労していない人はいないんです。その苦労とシンクロして、毎回、涙を流されていました」と証言した。

 21年12月に完成。珍しく何十回も書き直し、言葉を探り続けた。♪いま生きよう 私の物語を さぁ描こう自分のページを-。学ぶことで新たな世界の扉を開けようとする生徒たちを思い、歌う。

 校歌の制作は2曲目。「ずっと歌い継いでいただける光栄なもの。誰かの思いを自分が器になって歌にするのが自分の表現なんだと、より強く思いました」と目元をぬぐった。

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