尾上松緑 大岡越前守の墓参「猿之助さん、愛之助さんをきっちり裁きたい」
東京・歌舞伎座「四月大歌舞伎」(4月2~27日)の第一部、通し狂言「天一坊大岡政談」で名奉行・大岡越前役を演じる歌舞伎俳優の尾上松緑が17日、神奈川県茅ヶ崎市にある大岡家の菩提寺・浄見寺に墓参。本堂や墓前で手を合わせ、公演に向けての思いを語った。
松緑は「歴史と重みを感じました。大岡越前守をさせていただくことがあるとは思ってもおりませんでしたので、非常に身の引き締まる思い。『あいつに大岡を任せてよかったな』と思ってもらえる大岡越前守を勤めたい」と意気込んだ。
大岡役については「歌舞伎では、尾上菊五郎のお兄さん、(十二世)市川團十郎のおじ、中村梅玉のお兄さんなど尊敬する先輩方が演じられてきた重要な役。時代劇では加藤剛さんや北大路欣也さんの印象があり、私が生まれる前には『大岡政談 池田大助捕物帳』(NHK)という時代劇で父(初世辰之助)が池田大助を、祖父(二世松緑)が大岡越前守を勤めています」と振り返った。
師匠でもある菊五郎からは「自分なりの大岡を作るように」と助言されたと明かし、「私は演じる年齢が皆さんに比べて若いので、その分、颯爽と爽やかに勤めたいと思います。大岡越前守は曲がったところのない、理知的で、真っすぐな人物。久しぶりにど真ん中の正義を一か月貫いて演じたい」と抱負を述べた。
今回、悪の魅力溢れる天一坊を市川猿之助、天一坊の参謀役・山内伊賀亮を片岡愛之助が演じる。松緑は「大岡越前守として、きっちりと猿之助さん、愛之助さんを裁きたいと思います!」とユーモラスに宣言していた。
