美空ひばりさん、雪村いずみと共に「３人娘」と称された戦後を代表する歌手の一人、江利チエミさん（１９３７～８２）の命日である２月１３日、アルバム「テネシー・ワルツ～江利チエミ　ベスト・ポップス～」「黒髪」「チエミ・オリジナル」のサブスクリプション（定額聴き放題サービス）と海外配信がスタートした。

　チエミさんは進駐軍キャンプ回りを経て５２年、１５歳の時に「テネシーワルツ」でデビューし、いきなり４０万枚の大ヒットを飛ばすと、その後もヒットを連発。歌謡曲や演歌のみならずラテン、キューバン、ジャズ、ゴスペル、民謡など幅広いジャンルを卓越した歌唱力で聴かせた。

　ＮＨＫ紅白歌合戦には１６回連続で出場。ドラマ「サザエさん」など女優としても活躍したが、８２年に４５歳の若さで急逝した。

　レコード会社によれば、チエミさんの楽曲は現在、欧州を中心にダウンロード数が急増するなど海外で注目が高まっているという。没後４０年の今年は、世界的なブームになっている日本のシティ・ポップ同様、逆輸入でのリバイバルヒットが期待されている。

　今回、解禁される曲の中には、ＹＭＯや荒井（現松任谷）由実を世に送り出した村井邦彦氏が作曲し、サイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」のジミー・ハスケルが編曲、米国を代表するドラマーのハル・ブレインら超一流プレーヤーが参加した「旅立つ朝」（７１年）などもあり、ポップス好きからも注目を集めそうだ。