森鴎外の直筆原稿 洋紙に文豪の端正なペン字 新潮社の社内で発見される
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文豪・森鴎外(1862~1922年)の短編小説「身上話」の直筆原稿のうち1枚が新潮社(東京都新宿区)の社内で15日までに見つかった。洋紙に端正なペン字でつづられており、鴎外の直筆原稿が発見されるのは珍しいという。
他にも夏目漱石や二葉亭四迷ら明治・大正の文豪らの資料20点が同じ冊子に貼られていた。新潮社などによると、冊子は縦約30センチ、横約40センチで、島崎藤村、有島武郎らの原稿や手紙も含まれていた。昨年末に社長室を大掃除した際に見つかった。新潮社を創業した佐藤義亮(1878~1951年)が、交友のあった作家たちとの思い出を残すために作ったとみられる。
冊子を調査した早稲田大の中島国彦名誉教授は「この時代の鴎外の直筆原稿はほとんど残っておらず貴重だ。出版の歴史を知る上でも重要な資料といえる」と話している。