仁左衛門 京都・顔見世へ向け秀太郎さん思う「顔見世が最後というのは兄も幸せだった」

 歌舞伎俳優・片岡仁左衛門(77)が15日、大阪市内で「吉例顔見世興行」(12月2~23日、京都・南座)の取材会を行った。

 第二部の「身替(みがわり)座禅」で山蔭右京を演じる仁左衛門は「無事に幕を上げられることを大変うれしく思っています。京都・南座の顔見世興行はいま現在、最大の歴史をもっているので、絶やすことは大変苦しいので」とコロナ禍での開催を意識し、「今年も盛大に成功させたい。関西の文化の発展にもつながる」と思いを明かした。

 情の深すぎる妻を持ちながら、浮気を企てる右京役について、仁左衛門は「私の場合はかわいさも出している。正しいわけじゃなく、こういうやり方もある。女性との逢瀬を楽しむところの描写でも、いやらしくならないように。世の中の女性、特に奥様方から見れば敵なので、その方たちが怒りを覚えない人物を作り上げたい」と話した。

 また、5月に慢性閉塞性肺疾患のため、79歳で死去した兄の片岡秀太郎さん(享年79)が、昨年12月の南座「顔見世-」が最後の舞台となったことについて聞かれた。仁左衛門は、寂しさを吐露した上で「兄が去年の顔見世で、もちろん十分とはいえませんでしたけれど、すてきな舞台を務めてくれた。千秋楽と前日と2日間、兄にとっても顔見世は大事な公演でしたし、それが最後というのは兄も幸せだったと思う」と気持ちを代弁した。

 今回の興行には、秀太郎さんのまな弟子である片岡千壽、片岡りき彌が出演。仁左衛門は「2人が大役をできるのは兄への供養。兄もさぞかし喜んでるだろうと思い、胸が熱くなる」と語った。

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