ビートルズ「レット・イット・ビー」SPエディションが10・15世界同時発売

 ザ・ビートルズ最後のオリジナル・アルバム「レット・イット・ビー」(1970年)のスペシャル・エディションが10月15日、世界同時リリースされることが25日夜、発表された。

 プロデューサーのジャイルズ・マーティンとエンジニアのサム・オケルによって新たにステレオ、5.1サラウンドDTS、ドルビー・アトモスでミックスされ、(1)[スーパー・デラックス](5CD+1ブルーレイ)(2)2CDデラックス(3)1CD(4)[LPスーパー・デラックス](5)1LP(6)1LPピクチャー・ディスクの形態で発売される。

 フィル・スペクターが「リプロデュース」したオリジナル・ヴァージョンをお手本としたニュー・ステレオ・ミックスを全フォーマットで採用。ニュー・ミックスは、オリジナル・レコーディング・セッションやルーフトップ・コンサートの8トラック・テープから直接作り出された。

 スーパー・デラックス・エディションには未発表スタジオ音源27曲、4曲入りEP「レット・イット・ビー」、69年5月にエンジニアのグリン・ジョンズがまとめた14曲の未発表「ゲット・バック」ステレオLPミックスも収録される。

 ビートルズは1969年1月2日、ロンドンのトゥイッケナム・フィルム・スタジオのサウンドステージで、ライヴ・ステージに戻るためのプロジェクトのリハーサルに入った。それから21日間、ほとんど全ての瞬間がカメラとテープレコーダーで記録された。

 セッションはアップルのレコーディング・スタジオに移り、ビリー・プレストンが鍵盤奏者として加わった。彼らは新しいオリジナル曲をリハーサルしたほか、昔の曲でジャム演奏を繰り広げた。

 30日、ビートルズはアップル・コア本社の屋上でいわゆる「ルーフトップ・コンサート」を行ったが、苦情を受けた警察官が駆けつけて42分で終了。これがビートルズ最後のライヴとなった。

 グリン・ジョンズは4~5月にかけてアルバム「ゲット・バック」をまとめる作業を行ったが、ビートルズはこのプロジェクトの素材をお蔵入りにして、「アビイ・ロード」を制作。その後、映画「レット・イット・ビー」の公開に合わせて、69年1月の素材とその前後のレコーディング・セッションの音源を元にしたアルバム「レット・イット・ビー」が1970年5月8日にリリースされた。

 今秋発表される3種のアイテムは、60時間以上の未発表映像、150時間以上の未発表音源、数百枚の未発表写真の中から素材をえりすぐり、丹念に修復した決定版と言える内容になっている。

 「レット・イット・ビー」スペシャル・エディションと共にリリースされるのは、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が手がけたドキュメンタリー・シリーズ「ザ・ビートルズ:Get Back」(11月25~27日にディズニープラスで配信)、豪華本「ザ・ビートルズ:Get Back」(シンコーミュージック・エンタテイメントから10月12日発売予定)。

 ポール・マッカートニーはスペシャル・エディションのブックレット序文で「映画『レット・イット・ビー』のオリジナル版は、ビートルズの解散と関係していた。だから僕は、かなり悲しい作品だとずっと感じてきた。けれど今回の新しい映画は、メンバー4人の間にあった友情と愛情を映し出している。ここには、僕らが一緒に過ごした素晴らしい時間も記録されている。新たにリマスタリングされたアルバム『レット・イット・ビー』と共に、これはあの時代を思い出させてくれる力強い作品となっている。僕が思い出したいビートルズはこういうビートルズだった」と述べている。

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