月組トップ・珠城りょう 「宝塚人生は私の全てです」涙のサヨナラ公演「桜嵐記/Dream Chaser」千秋楽

 宝塚歌劇月組トップスター・珠城(たまき)りょうのサヨナラ公演「桜嵐記(おうらんき)/Dream Chaser」が15日、東京・日比谷の東京宝塚劇場で千秋楽を迎え、サヨナラショーと退団会見が行われた。初舞台から9年、天海祐希に次ぐスピードでトップに就任して5年。白い服に身を包んだ月組のメンバーやファンに涙ながらに見送られ、「宝塚人生は私の全てです」と笑顔で締めくくった。トップ娘役・美園(みその)さくらも退団した。

 輝かしい衣装を脱いで羽根を下ろし、黒紋付きに緑のはかま姿の正装で大階段を降りた。珠城は周囲をぐるっと見回すと「今この瞬間ここにあるもの…この全てが私自身が守り、愛し抜いた存在です。私の宝塚人生は最高に濃密で、愛にあふれた日々でした」と、すがすがしい笑顔で振り返った。

 当初は2月の退団が発表されていたが、コロナ禍での公演延期などを受けて、退団も8月へ延期された。本拠地の兵庫・宝塚大劇場での千秋楽は笑顔で終えたが、この日のアンコールでは周囲の涙を見て声を詰まらせる場面もあった。

 「自分は冷静だったけどみんなの顔を見て、いとおしさや感謝の思いが込みあげてきました」。次期トップの月城かなとから花を渡された時の言葉は「最後なので、私だけの秘密にさせてください」と内緒にした。

 2006年に宝塚音楽学校に入学し、08年3~5月の「ME AND MY GIRL」で初舞台を踏んだ。ファン時代から憧れていた月組の所属となり、16年9月にはトップスターに就任。「情熱的で包容力があって男らしい男役」を追求し、月組一筋で宝塚人生を終えた。

 退団後のことは全く決まっていないと明かし、“お約束”である寿退団か?の質問には「まず職探しからですね。外に出たらOGの方など新たな出会いがあると思いますので、すてきなご縁がつながっていくのを楽しみにしたいです」と目を細めた。

 トップとして過ごした5年間は「長いようであっという間でした。羽根を下ろした瞬間、あしたから背負わないんだと不思議な気持ち」と、まだ実感がわかないという。

 「宝塚人生は私の全てでした。夢の世界でした。舞台に立っている瞬間、自分も夢を見ていたと思います。本当にかけがえのない場所でした」-。大きな愛と夢をステージに残し、珠城は新たな人生を歩んでいく。

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