宝塚星組スター愛月ひかる主演「マノン」開幕 約20年ぶりの再演

 宝塚歌劇団星組スター・愛月ひかる主演の「マノン」が1日、兵庫・宝塚バウホールで開幕した。アベ・プレヴォーの小説「マノン・レスコー」を原作に、中村暁氏が脚本・演出を手がけ、物語の舞台を19世紀スペインに移してミュージカル化。2001年に瀬奈じゅん主演の花組で上演され好評を博した作品で、今回約20年ぶりの再演となった。

 セビリヤの名門貴族の青年ロドリゴは、情熱的で自由奔放なマノンと恋に落ち、約束された将来を捨て駆け落ちする。しかし享楽的な生活を求めるマノンは、お金のために平然とロドリゴを裏切るようなまねをする。それでもいちずにマノンを愛し続けるロドリゴは、彼女のために罪を犯し、破滅への道を突き進んで行く-。

 ロドリゴを演じた愛月は、純朴な名門の好青年が一人の女性のために人生を転げ落ちるさまを好演。マノンを愛するがあまり、周囲が見えず、罪を犯し、助けの手をはねのけるロドリゴに血肉を通わせた。

 タイトルロールのマノンを演じたのは有沙瞳。ロドリゴへの愛と、贅沢な生活の両方を欲しがる子供が、そのまま大きくなったようで、ラストの悲劇が際立った。

 マノンの兄レスコーには、研6の天飛華音が抜てき。研15の愛月に一歩も引かず、堂々の骨太な演技を披露。ロドリゴの友人ミゲルは綺城ひか理も、落ち着いた芝居を見せた。

 またロドリゴの兄のホアンを演じた桃堂純が、今公演で退団する。

 12日まで。KAAT神奈川芸術劇場は22~28日。

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