松本まりか 普通が楽しい“あざとかわいい”から正統派へ 自然体で新境地

 “ごく普通”という新境地を開拓する松本まりか(撮影・伊藤笙子)
 “ごく普通”という新境地を開拓する松本まりか(撮影・伊藤笙子)
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 放送中のフジテレビ系ドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」(土曜、後11・40)に出演中の、女優・松本まりか(36)が“ごく普通”という新境地を開拓している。あざとかわいい悪女-。数年前からついて回るパブリックイメージを覆す“ごく普通”の役どころを演じており「よくぞこの役を私にオファーしてくれました」と感謝する。怪演から正統派までこなせることを証明した人気女優に話を聞いた。

 ドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」は、大地真央(65)演じる毒舌でパワフルな主人公・ハルコが世の理不尽な出来事や仕事の悩みなどをぶった斬る痛快コメディー。松本はハルコに翻弄(ほんろう)される“ごく普通”のアラフォー女子・菊池いづみ役を演じている。

 これまで悪女や妖怪など癖のあるキャラを演じて知名度を急上昇させてきたが、今作では、人を振り回す側から振り回される側に。「チャレンジャーだなと思いました。今までの『出てきたら絶対悪いやつ』『危険な女』とは真逆のキャラクターで危なくない。すっとぼけた役をイメージしてくださったのはプレーヤーとしてすごいうれしかった」と感謝する。

 役作りはあえてノープラン。「地味で個性がないという個性の役をやっている。ハルコさんと出会って、自然とそういう人になっていく。それが個性だったりする。何も役作りはしていないけど、コミカルにできたと思います」。自然体で新境地に挑んでいる。

 松本自身にとってのハルコは、18~19歳の時に出会った女優の松田美由紀(59)だという。「強烈でした。本当にハルコさんみたいなんです。『何でそうなの?』とか言われてもそこにはめちゃくちゃ愛があって、自分の哲学がある。そこがものすごく引かれる要素でした。尊敬です」。松田にもらった言葉の一つ一つが松本を突き動かす原動力になっている。

 2000年にデビューし、芸歴は21年目。18年放送のテレビ朝日系「ホリデイラブ」で遅咲きのブレークを果たすまで苦労もあったが、挫折を感じたことはないという。「根性だけはあるので、どんなに先が見えない状況でも辞めようとは思わなかった。演技で食っていくというのができないと思った時期もあったけど、だからといって結婚して男の人に養ってもらうのは気持ち悪くて。常に自立していたいという思いは持っていた」

 昨年は「竜の道 二つの顔の復讐者」「妖怪シェアハウス」「先生を消す方程式。」など多数のテレビドラマに出演。目まぐるしい1年に「分刻みスケジュールを初めて経験した。20年間すごい暇だったので、忙しくなりたかったし、これが求めたことなんですよ。ハードルが常に襲いかかってくるのは大事。常に自分に負荷をかけている」。休みなしの毎日に幸せと成長を感じている。

 今回の個性なしの役どころから、過去の“怪演”についても見方が変わった。「ドロドロした役が続いていたので普通がものすごく楽しい。悪女をやるのもものすごく楽しくて、これからもたくさんやっていきたい。固定概念にとらわれずに新しい面白い発想をしていきたい」。正統派から個性派までをこなすマルチプレーヤーとして役者道を突っ走る。

 ◆松本まりか(まつもと・まりか)1984年9月12日生まれ。東京都出身。2000年放送のNHK教育テレビのドラマ「六番目の小夜子」で女優デビュー。18年放送のテレビ朝日系「ホリデイラブ」出演をきっかけに“あざとかわいい”が代名詞となり、知名度が急上昇。ゆうばり国際映画祭2019年ニューウェーブアワード受賞。TBS系「中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん」ではナレーションを担当。

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