「鯉のはなシアター」の桝本壮志氏が愛するカープにエール「新しい時代の歯車が回り始めた」

 広島市出身の放送作家・桝本壮志氏(45)。元芸人という肩書きを持ち、現在は吉本興業の養成所の講師を務める一方、作家としても活動するなどマルチな才能を発揮している。小説「鯉のはなシアター」などカープにまつわる執筆も多い。プロ野球開幕にあたり、V奪回を目指すカープへの期待を語った。

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 カープ選手の素顔に迫る、広島ホームテレビの人気番組「鯉のはなシアター」のナビゲーター(支配人)を務め、17年には同名の小説も発表。翌年には映画化された。雑誌でもコラムを執筆するなど、カープに関する雑学、知識の量は半端ではない。都内の自宅には1万点以上のカープグッズを所有。「あまりに多すぎて10年間、引っ越しできていないんです」と苦笑する。

 カープ愛の根幹にあるのは選手への温かい眼差しだ。「毎年、新しい選手が入ってくるたびに新しいドラマが生まれる。どの選手にもいろんなバックボーンがあり、それは決して輝かしいものだけじゃなく、歯ぎしりしたくなるような陰の部分もある。そういう部分に光を当てていくことで、その選手のことをより深く知ることができ、もっと応援したくなるんです」

 今季加入した選手への期待も大きい。「大道投手は九里投手が付けていた背番号12を受け継ぎましたが、学生の時からスマホのプロ野球ゲームでは、いつも九里投手を使っていたそうです。彼も九里投手のように活躍してくれるではないでしょうか」。パンチパーマをかけた矢野にも注目する。「朝がすごく楽になったそうです。明るいキャラクターが注目されていますが、日本一練習が厳しいといわれる亜細亜大学で主将をしていただけあって、メンタリティーもすごいものを持っているんです」

 さらに新外国人のクロンについても「めちゃめちゃ性格のいい選手です」と大絶賛。「兄もメジャーリーガーなので、2人とも獲得して『クロン兄弟』として売り出したらおもしろいと思います。昔のプロレスの『ファンクス兄弟』みたいに。ちなみに父もメジャーリーガーだったので一緒に日本に呼んで、(ボクシングの)亀田親子の『亀田トレイン』みたいに『クロントレイン』で売り出すのもいいかもしれません。間違いなくインスタ映えしますよ」とアイデアは尽きない。

 カープはこの2年間、V逸しているが、これもポジティブにとらえている。「その前に3連覇を達成し、再び大きくジャンプする前のかがんでいる状態だと思っています。昨年は決してチーム状態は芳しくありませんでしたが、そんな中で10人の若ゴイが1軍デビューを果たしました。特に18、19年のドラフト組の成長は目を見張るものがあります。そこに新たな時代の歯車が回り始めたことを感じるんです。今年はすごく楽しみです」。V奪回を目指す佐々岡カープに熱いエールを送った。(デイリースポーツ・工藤直樹)

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 桝本氏の小説が原作となった映画「鯉のはなシアター」がこのほどDVD化された。「コロナ禍でまだ映画館に行きにくい状況の中、多くの人に作品を見ていただくきっかけになればうれしい」。戦後復興が作品のテーマでもあり、「自宅で祖父母とお孫さんが一緒に見ながら歴史を語り継いでいくきっかけにもなれば」と話す。

 また、昨年12月には新刊「三人」(文芸春秋)を刊行した。売れないまま35歳になった芸人「僕」と、売れっ子芸人、人気放送作家との3人の共同生活を描いた青春小説。

 ストーリーは自身の経験に基づいており、「私の過去の傷口をさらけ出すことで、読んだ人たちに『どんなことがあっても大丈夫』と思ってもらえるような“言葉の杖”になればいいなと思っています」。かつて実際に同居していたチュートリアルの徳井義実からは「お前の血が吹き出るような小説やな」と言われたという。

 ◆桝本壮志(ますもと・そうし)1975年7月8日生まれ。広島市佐伯区出身。広島商時代は野球部に在籍し、副主将も務める。卒業後は芸人を目指して吉本総合芸能学院「NSC」に入学。97年に放送作家に転身し、数々の人気番組を手掛ける。10年からは「NSC」の講師も務め、教え子は6000人以上。作家、コラムニスト、コメンテーターとしても多忙な日々を送っている。

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