替え歌王 コロナ禍に応援歌次々作成 看護師に続き介護士に捧げる「おかげさま」

 嘉門タツオ
 嘉門タツオが作詞した「おかげさま」の歌詞
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 替え歌王でも知られるシンガー・ソングライターの嘉門タツオ(61)が、看護師に捧げる楽曲「看護の現場」に続き、介護士に捧げる「おかげさま」を作り、介護施設で働く人たちにエールを送っている。

 「おかげさまで穏やかな日々です」で始まる歌詞は、高齢で思うように体を動かせなくなり、介護が必要になった人たちが、それでも安心して暮らし、生きる力をもらい、お風呂の時間が楽しみになるくらいに癒やされている、その支えとなっているのが介護士-という内容だ。

 嘉門は「母(敏子さん=87)も施設(介護付特別高齢者住宅)に入っているんで、会いに行くことがあるんですが、母ならこんなこと考えてるんやろなあ、と思って書いた」と話す。

 先に作った「看護の現場」は、伯母で看護師の第一人者と言われる川嶋みどりさんの心の内を歌にしたものだが、いずれも医療や介護福祉に携わる人たちへの応援歌だと思っている。

 こうした活動に賛同する企業も現れた。東京トラベルパートナーズだ。介護施設向けのオンラインツアーも手掛けており、伊勢神宮ツアー(2月25日)の映像のエンディングでは、この「おかげさま」を流す予定だという。

 同社の栗原茂行代表取締役は「旅行や参拝に行きたくても行けない人たちにとって、リアルで新感覚のサービスだと思っています」と説明する。介護・福祉施設とテレビやパソコンでつなぎ、ナビゲーターを起用した旅先の映像と音声をライブ感覚で楽しめる。神社で拍手を打ち、お寺で手を合わせる。それが可能になり、「涙を流して喜ぶお年寄りもおられる」と話す。

 オンラインツアーでは嘉門自身がナビを務めて、「自分で大阪の街を案内する」というプランも思い描いている。

 「道頓堀とかね。船に乗ったり、2度漬け禁止の串カツの店とか、おちょやん(NHK連続テレビ小説)にまつわる店とか名所とか、いろいろ紹介してみたい」

 また一方で、介護関係者との交流を深めるうちに、「介護施設あるあるみたいなコミカルな歌を作ってほしい」と依頼されるようにもなった。「カッコいいおじいちゃんが入ってくると、おばあちゃんが生き生きするとか」。とにかく「スタッフが楽しく-がコンセプト」という。

 「あのキダ・タロー先生のメロディーに乗せて『楽し~い介護 明る~い介護 さ~あ みなさん ご一緒に』みたいなね」

 しつこいコロナのせいもあり、とかく沈みがちなこの世の中を、少しでも明るく前向きに生きていければ。「おかげさま」には、そんな思いも込められているのだろう。

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