桂雀三郎 50年の落語家生活で初の1日6席に挑戦「倒れるところを楽しみに」
落語家の桂雀三郎(71)が22日、大阪市のサンケイホールブリーゼで、11月29日に同会場で開く「米朝一門独演会シリーズ2020『桂雀三郎独演会』」の取材会を開いた。2009年から毎年、桂米朝さんゆかりの場所で独演会を開催。今年はコロナ禍による収容人数制限のため、朝・昼の2公演で3席ずつ6席に挑む。
50年におよぶ落語家生活で、1日6席は初という。雀三郎は「全然自信ないです。最後倒れるところを楽しみに来てくれたら」と、冗談を交えながら来場を呼びかけた。
米朝さんの「口合(くちあい)小町」を、同会場での独演会で初めて演じる。コロナ感染拡大の影響で、4カ月ほど高座に上がらなかった時期があったと振り返る雀三郎は「散歩しながら、口合小町をぶつぶつネタを繰りながら歩いていました。弟子でもほとんどやっていない。滅ぼすにはもったいないし、自分の持ちネタにしたい」と伝承を誓った。
来年3月に、1971年の入門から半世紀を迎える。「やめたくなったことはない。定年がないし、芸にはゴールがない。もっとおもしろい落語をやりたい」と、あくなき意欲を見せていた。