幸四郎「ついにこの日がやってきた」 8・1歌舞伎座5月ぶり再開 

 アクリル板を挟んで笑顔で手を振る(左から)中村七之助、片岡愛之助、松本幸四郎、市川猿之助、中村勘九郎=東京・東銀座の歌舞伎座(撮影・堀内翔)
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 新型コロナウイルス感染拡大による休演から、8月1日に5カ月ぶりに再開する東京・歌舞伎座で13日、第1弾となる8月公演「八月花形歌舞伎」の制作発表が行われた。松本幸四郎(47)、市川猿之助(44)、片岡愛之助(48)、中村勘九郎(38)、中村七之助(37)が出席。花道を通って舞台に登場し、久々に“職場”へ戻った喜びを語る一方で、感染者数が増加する現状に気を引き締めた。

 政府が大型イベント自粛を求めた2月26日が、2月公演の千秋楽と重なり、この日を最後に歌舞伎座の灯りが消えた。130年以上の歴史を誇る中、5カ月間の休演は、戦時中や建て替え以外では初めて。幸四郎は「ついにこの日がやってきたかという思いでいっぱい。本当に幸せです。歌舞伎座は(本来だと)12カ月開いている劇場。12カ月の1カ月目と捉えてます」と再出発に気合を込めた。

 最大1808人収容の客席は、花道付近や桟敷席などを販売せず、半分以下の823席に縮小。異例の4部制となり、各部1時間ほどの1演目で観客を入れ替える。幕あい(休憩)を設けず、場内の飲食は水分補給のみに制限されるため、幕の内弁当や助六寿司を楽しむことはできない。

 観劇スタイルが様変わりするとあって、七之助は「新しい歌舞伎の一歩を共有いたしましょう」と呼びかけ。屋号などを叫ぶ歌舞伎特有のかけ声「大向こう」も禁止で、愛之助は「大向こうがないのは、ガクッとくるものでございます。SE(音響効果)でいいんじゃないかと言いましたが、却下されました」と裏事情を明かした。

 ウィズコロナに合わせて変化する伝統芸能に、猿之助は「生の舞台が果たしてこのまま続けられるのか。次の次の世代ぐらいには、配信とかそっちの歌舞伎も真剣に考えないといけない」と懸念。七之助も「父は『中村座(の公演)はどこでもできる』と言ってましたし、VRが一家に一台普及したら試験的に(配信で)やるかもしれません」と“歌舞伎の未来”を見すえていた。

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