将棋の藤井聡太七段（１７）が、木村一基王位（４７）に挑戦する第８１期王位戦７番勝負開幕前日の３０日、対局場である愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で、前日検分が行われた。藤井七段は、立会人の谷川浩司九段（５８）に封じ手の方法を確認するなど、初めての２日制対局への準備は万端。終了後は同所で、前代未聞の「オンライン前夜祭」に出席し、地元・愛知での開幕局へ向け気合を見せた。

　挑戦を受ける木村王位は、検分で対面した藤井七段について「過密日程の中の内容が素晴らしく、さらに評価を上げた」と警戒感を強めた。

　自身は昨期、４６歳３カ月と史上最年長で初タイトルを獲得。今回は３０歳差という歴代２位の年齢差タイトル戦という注目も集まる。だが「いろいろ考えたんですけど、（年齢差を）縮める手段がないんですね」とジョークを飛ばしつつ、「１７歳の少年、というとらえ方はしていない」と語った。

　オンライン前夜祭では、立会人の谷川九段らと落ち着いた様子でトークを展開。「藤井さんは絶好調なのでこちらが挑戦する気持ちでやらないといけない。あえて挑戦者の気持ちで臨みたい」と謙虚に闘志をあふれさせた。