カンヌ&ベルリン最高賞トロフィー そろい踏み 7・3から東京銀座で展示

 世界三大映画祭のうちの二つ、カンヌ国際映画祭とベルリン国際映画祭(もう一つはヴェネツィア国際映画祭)の最高賞トロフィーが、7月3日から16日まで東京・銀座の丸の内TOEI(1)でそろって展示されることが25日、分かった。世界最高峰のそろい踏みで、映画史を間近で感じられるまたとない機会になりそうだ。

 1983年5月19日に第36回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールを獲得した今村昌平監督の「楢山節考」と、1963年7月2日に第13回ベルリン映画祭で最高賞である金熊賞を獲得した今井正監督の「武士道残酷物語」という2本の東映作品がこの期間、デジタル上映されることに合わせて、ロビーにトロフィーが並んで展示される。

 姥捨伝説を素材にした深沢七郎の小説を映画化した「楢山節考」は、下馬評が高かったロベール・ブレッソン監督「ラルジャン」、大島渚監督「戦場のメリークリスマス」などを退けて栄冠に輝いた。今年2月7日に85歳で死去した日下部五朗プロデューサーと老母を演じた坂本スミ子(83)が、「市民ケーン」や「第三の男」などで知られる映画監督で俳優のオーソン・ウェルズからトロフィーを受け取った。

 南條範夫の小説「被虐の系譜」を映画化した「武士道残酷物語」は戦国時代から現代までを舞台に、故萬屋錦之介さん(当時は中村錦之助)が主家や国家、会社への忠義を強いられる武士や軍人、サラリーマンを七役で熱演している。

 映画祭には錦之介さんとヒロインを演じた有馬稲子(88)が出席。公式上映のクライマックスでは緊張が頂点に達し、ショックのあまり抱きかかえられて退場する女性も出たほどで、イタリアの「ストックホルムの恋」と金熊賞を分け合った。

 普段、「楢山節考」のトロフィーは神奈川・川崎市アートセンターに、「武士道残酷物語」のトロフィーは京都太秦映画村に展示されているため、貴重なそろい踏みとなる。

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