「なんばグランド花月」110日ぶりに笑い声 劇場再開で文枝「涙が出そう」 

 社会的距離確保のため、多くの席が利用禁止になっている「なんばグランド花月」(代表撮影)
公演再開に意気込みを見せる(左から)中田カウス、桂文枝、西川きよし、桂文珍=なんばグランド花月(代表撮影)
アクリル板をはさんで漫才を披露するミルクボーイ=なんばグランド花月(代表撮影) 
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 コロナ禍で公演を取りやめていた吉本興業のなんばグランド花月(NGK)ほか5劇場で19日、観客を入れての公演が再開した。当面は週末の金~日曜日に限り、客を迎え入れる。3月1日以来110日ぶりの公演となったNGKでは、感染予防対策のため通常858席の客席は最大112席まで減少。漫才は高さ・幅約2メートルのアクリル板をはさんでの舞台になるが、桂文枝(76)は「この舞台にやっと立つことができた。涙が出そう」と感無量の表情を見せた。

 4人のベテラン芸人の間には、アクリル板が置かれていた。公演再開に先立って行われた会見、セレモニーには文枝のほか西川きよし(73)、中田カウス(70)、桂文珍(71)が出席。文枝は「アクリル板があろうとなかろうと、どんな状況になっても笑いを提供し、たくましくやるのが芸人」と力を込めた。

 久々のNGKの舞台に、興奮してるかのようだった。文珍は「文珍改めワクチンを襲名しようと…」とぼけ、カウスも「感染予防対策でNGKに多目的トイレができました。1万円持って使ってください」と観客に呼びかけた。文枝から「(横山)やすしさんと面会した時もこんな感じだったんですか」とアクリル板越しに振られたきよしは「ここんとこに穴が…やかましわ!」と返す。高さ2メートルの仕切り板さえも、笑いに変えていた。

 通常858席だったNGKの客席は、最大112席までに減った。舞台の最前列に客は入れず、1・8メートルの間隔を取るため前後1列、左右3席ずつ離す。吉本新喜劇の公演は当面行わない。NGKの再開を待ちわびていた大阪府守口市の長井優里香さん(28)は「席の間隔には驚いたが、リラックスして見れた」と、社会的距離をしっかり取った劇場に好感触だった。

 舞台に立ったミルクボーイの内海崇(34)は、緊張のあまり得意の「モナカ」ネタで噛んでしまった。駒場孝(34)は「すごいです、体力の消費量が。無観客の時と全然違う」と笑いの殿堂の復活を体感した。

 文枝は「お客さんが満員になる日を願いながら頑張りたい」と宣言。きよしも「こんな時代だからこそ、小さなことからコツコツと」と持ちギャグで続けた。大爆笑に戻るのは時間がかかりそうだが、NGKに笑い声が久々に響いた。

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