将棋の藤井聡太七段（１７）が１０日、大阪市の関西将棋会館で行われた大橋貴洸六段（２７）との第６８期王座戦二次予選に臨んだが、１１０手で敗れた。大橋六段は永瀬拓矢王座（２７）への挑戦をかけた１６人による挑戦者決定トーナメントに進む。

　８日のヒューリック杯棋聖戦五番勝負第１局で渡辺明３冠（３６＝棋聖、棋王、王将）を破り、初のタイトル戦で劇的勝利を挙げてから中１日。藤井七段は落ち着き払った様子で将棋に集中した。しかし過密日程の疲労もあってか、ランキング１位で今年３月１２日から続いてきた連勝は「１０」で止まった。

　紺色のスーツにピンクのネクタイ姿の藤井七段はいつものようにお茶を一口飲んでから先手を指した。大橋六段とは２０１６年プロ入りの同期。これまで２勝２敗と競り合ってきた難敵でもあった。

　敗れはしたが小休止とはならず、藤井七段のハードな対局ロードはまだまだ続く。４月に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で、１００キロを超える遠距離移動の対局はすべて延期された。６月１日に遠距離移動の対局が再開されると２日の同準決勝、４日に挑戦者決定戦に連勝。４日後の８日、将棋会館で行われた渡辺棋聖との五番勝負で先勝した。この日は中１日で東京から大阪へ移動。１０日間で４戦をこなしてきた。

　１３日は王位戦挑戦者決定リーグ白組最終戦があり、敗れれば１５日のプレーオフに回る。２０日には師匠・杉本昌隆八段と竜王戦ランキング戦３組決勝で対決。王位戦挑戦者決定リーグか同プレーオフに勝った場合は２３日の王位戦挑戦者決定戦が待つ。月末の２８日は注目の棋聖戦五番勝負第２局が予定されている。