杉山清貴ワールド原点回帰 表参道から再び…新アルバムリリース

 シティ・ポップスの雄、杉山清貴(60)が13日に約2年ぶりのオリジナルアルバム「Rainbow Planet」をリリースする。杉山清貴&オメガトライブ~ソロを通じて「ふたりの夏物語」、「さよならのオーシャン」など数々の名曲を世に送ってきた杉山が「一番杉山清貴っぽいかな」という新作の魅力を探った。

 アルバムは原点に回帰したような、杉山自身が作詞の「Omotesando’83」で始まる。1983年は杉山清貴&オメガトライブとしてデビューした年で、東京・表参道は当時の所属事務所があった地だ。

 「しょっちゅう表参道に行っていて、これからバブルで街に活気があって、キラキラしていた景色が浮かんできて、一番自分たちの感情が高ぶっている時期の心情からスタートしたら面白いなと」

 そこから、円熟した大人のラブソングや、娘を思う父の心情などが歌われていく。

 martin naganoプロデューサーとの3作目となる今作には、宮野弦士氏や音楽ユニット「ブルー・ペパーズ」の福田直木といった20代の新進から旧知の売野雅勇氏のような大御所まで、幅広い世代の作家が楽曲を提供した。還暦を迎えた杉山だが、20代の2人には親和性を感じている。

 「僕らが10代20代の時に体験したサウンドの世界を、いろいろなフィルターを通して彼らのモノにしている。すごくリアルに感じて面白く、アルバムの方向性も見えてきた」

 「お父さんがギターマニアで、子供の頃からギターを触って育った」宮野氏、アナログ盤を3000枚所有し「僕らが10代20代の頃に聴いたレコードばかり聴いていて、親子以上に話が合う」福田とは、感性が「合い過ぎちゃって困るくらい」だったという。

 一方で、「誘惑のChaChaCha」を作詞作曲したプロデューサー、ギタリストの成田忍は杉山より年長だ。「ジジイのくせに攻めてるな、と」と、破顔して喜んだ。

 杉山は「世代差がなくなってる時代なのをものすごく感じます」と言う。そんな幅広い楽曲を束ねるのが、杉山の歌だ。アルバムを通して聴けばまぎれもない杉山清貴ワールドになっており、自身も「一番杉山清貴っぽいかな」と認める仕上がりになっている。

 ライブも精力的に行っている杉山だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で19公演の延期、2公演の中止が発表されている。

 「エネルギーの交換みたいなものは絶対にある。それぞれがエネルギーを蓄えて明日に向かっていく。それがなくなるのは非常にさみしい」と残念がるが、嘆くだけではない。

 ガラケーからスマホに替えてまだ数年だが、還暦にしてインスタライブに挑戦し、会えないファンとつながっている。「こういった形で聴いてもらえるって、すごい時代になったと思う。使えるものはどんどん使っていきたい」-新しいツールを積極的に取り入れることで、逆境の中でも前に進んでいる。

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