大林宣彦監督妻・恭子プロデューサー 遺言は「皆さん、ありがとう」

大林宣彦監督の妻でプロデューサーも務める大林恭子さん
 2019年11月1日、映画「海辺の映画館-キネマの玉手箱」の舞台あいさつに臨む大林宣彦監督
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 10日になくなった映画監督・大林宣彦さんの妻で作品プロデューサーの大林恭子さんが14日、コメントを発表した。

 「この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました」と映画監督らしい旅立ちを記し「連日連夜。映画の夢の中、撮影現場にいるらしい監督は元気な声で『ヨーイ、スタート。カット。オーケー。皆、おつかれさん、ありがとう』。毎晩その楽しそうな声に私は目を覚まし、『お疲れ様、ありがとう』と答えていました」とコメントした。

 「真夜中に講演らしきお話をしていました。そんな中『岩井君、手塚君、犬童君、塚本君たちが映画をつないで平和な世の中に…』ととぎれとぎれに聞こえてくる言葉、いつもと変わらない最後の言葉『ありがとう』。そして、監督が繰り返した『皆さん、ありがとう』を監督の遺言としてお伝え致します」と最後の言葉も紹介した。

 「今頃、ロケハン途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんとお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではないかと思います」とすでに旅立った映画人の名前を挙げ、大林監督との再会を願った。

 「まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍映画の時間をあげたかった。大林作品を愛してくださったすべての人に監督の『ありがとう』をお伝えしたく存じます」ともう一度「ありがとう」の言葉を添えていた。

 大林監督は肺がんのため10日に死去。82歳だった。

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