たかね吹々己、魂の美声で別れ「最後まで伸ばし切った」 引退公演「美しい人」千秋楽

 元宝塚歌劇団雪組トップスター、たかね吹々己(ふぶき、前名高嶺ふぶき)の引退公演となるミュージカル「美しい人」が12日、京都府立文化芸術会館で千秋楽を迎えた。国の象徴とされる大きな鳥を演じた後、特別カーテンコールで2曲を歌い上げ、女優生活に別れを告げた。甲状腺がんで5月に手術を受けることで、美声が完ぺきな状態に戻らないとしてけじめをつけることを決断。今後は山口県周防大島で旅館のおかみに転身する。

 涙はなかった。ラストに選んだ楽曲は、宝塚時代の「グッバイ・メリーゴーランド」から「This Moment」。魂を込めて抜群の声量で歌い上げると、美声が館内に響き渡った。

 中央にマイクを置いたたかねは、しばらくしてマイクを拾い上げると「知ってます?山口百恵さん」と明るく問いかけて笑わせた。「ありがとう」の声が飛ぶ中、「お客さんの愛情を感じたからこその最後まで伸ばし切った声でございます」と感謝の言葉を残した。

 地元・京都で行われ、家族も訪れた女優人生千秋楽は、新型コロナウイルス禍の中での開催となった。検温などの対策を施し、400人収容の会場も座席間隔を空けて、約120人が見守った。

 終演後、たかねは「スッキリした爽やかな気分と、終わった感じがリンクして大変気持ちいい」と語った。5月下旬の手術までに歌のライブ2公演の予定があるが、コロナの影響で開催は流動的だ。“オーラス”の可能性があるステージで、全力を出し切った。

 3月にがんが判明。声帯をつかさどる神経が傷つく手術後に、声が完ぺきには戻らない可能性が高いことを知った際、1回だけ大泣きしたというが、すぐに切り替えた。「“命あってのものだね”で(元通り)歌えない、それがどうしたと。今スパッとやめた方がいいと思った」という。

 おかみへの転身に「めちゃくちゃ楽しみ。(おかみ業は)もちろん本名で。『たかね吹々己』はパフォーマーとしての名前なので」と笑顔で打ち明けた。第二の人生も、前向きに進んでいく。

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