菅元首相が原発事故を検証「海水注入は継続した」「発生翌朝の現場急行は正しかった」
立憲民主党の菅直人衆院議員が、民主党政権の首相在任中だった2011年3月11日の東日本大震災の発生日を前に、ツイッターに連続投稿。当時、野党だった自民党の安倍晋三衆院議員がメルマガに「(原発事故で)海水注入を止めたのは菅総理」と書いたことの真偽や福島第1原発事故の現場での緊迫したやりとりを記した。
菅氏は、3・11が近づくこの数日、当時の体験や思いを込め、フォロワーとの対話形式で原発事故に関する投稿を続けている。
7日に更新したツイートでは「海水注入が継続されていたことは当時の吉田所長の発言からも、現在の東電自身の検証からも明らかです」と“注入中止説”を改めて否定した。
さらに、菅氏は「(名誉棄損で訴訟した)判決は当時野党議員であった安倍氏がマスコミ報道などに影響されて間違った事をメルマガに書いたのは名誉棄損とまでは言えないという判決で、安倍さんのメルマガが事実でないことを前提の判決です」と説明。「海水注入中止が事実であれば、安倍氏は裁判でも私との国会質疑でも主張したはずですが、メルマガ以降安倍氏は海水注入の中止は主張しなくなりました」と付け加えた。
8日には「私が早い段階で福島第一原発の現場に行かず、東電本店経由の情報だけに頼っていたらどうなったか」と問いかけ、「現場が危険な状態なので現場の社員を撤退させたいという3月15日の清水社長の提案が採用されていたでしょう。確かに現場は危険な状態でしたが、撤退すれば事故は更に拡大した事は間違いありません」と投稿した。
菅氏は「事故発生の翌朝、私が福島第一原発の現場に行って吉田所長と話をするまで、現場の正確な情報は東電本店からも経産省原子力安全・保安院からも私が本部長の原子力災害対策本部には伝わってきませんでした。私は今でも翌朝現場の吉田所長に会って直接話ができたことは大変役立ったと思います」と振り返った。