朝ドラヒロインに杉咲花 2度目出演で大役「一瞬パニック。泣きました」

 来秋放送となる2020年度後期のNHK連続テレビ小説が、大阪・道頓堀を舞台にした「おちょやん」に決まり、女優・杉咲花(22)がヒロインを務めることが30日、大阪市の同局で発表された。杉咲は、松竹新喜劇の前身「松竹家庭劇」に参加し、2代目渋谷天外さんと結婚した上方女優の代名詞・浪花千栄子さんがモデルの竹井千代を演じる。

 タイトル「おちょやん」はおちょぼさんがなまった大阪弁で、「茶屋や料亭で働く女中」を意味する。南河内生まれのヒロインにとって、9歳からの芝居茶屋での女中奉公の8年間が原点。言葉の親しみやすさ、かわいらしさ、意地と誇りなどの象徴として選ばれた。

 杉咲は、16年前期の「とと姉ちゃん」で高畑充希(27)演じる主人公の妹を演じて以来、2度目の朝ドラでヒロインの大役を任される。演技力を買われ、8月にオファーされた杉咲は「心境はうれしいです。こんなに感動的な瞬間ってあるんだってかみしめています。お仕事、勉強、家事、育児…皆さんにとって大事な15分を明るく、パワー与えられるよう、波乱万丈な千代さんを頑張って演じたいです」と意気込みを明かした。

 伝えられた瞬間について「いつも仕事の話はチーフマネジャーから伝えられるんですけど、(事務所の)上の方がいきなり会議室に入ってきて、『朝ドラ決まりました』って。一瞬、何のことか理解できなくてパニックになりました。こんな日が来たんだなと、うれしくてちょっと泣きました」と笑顔で振り返った。この日の会見前に母親に連絡したといい、「『えっ』って言って『あ~良かった。良かったね』って、本当に喜んでくれて。それがうれしかったです」とほほ笑んだ。

 17歳から40代後半までを演じ、東京出身ながら大阪弁での演技が要求される。イントネーションの資料をもらったという杉咲は「これからけい古が始まるところ。想像以上に難しそう。(来年4月の)クランクインまでにマスターしたい」と誓った。浪花さんについては自伝やNHKに残るラジオドラマの音源などで研究中。「生きることへの力強さを感じる。山あり谷ありの人生を前向きにとらえて、進まれる様子がステキ」と印象を明かした。舞台の道頓堀は4、5年前に訪れたといい、「人がたくさんいて、とても活気あふれる楽しい町だなという印象。そのときは夜だったので、昼間に遊びに行きたい」と話した。

 2年前の朝ドラでは高畑の姿を間近で見ていた。「膨大なセリフの量。毎日リハーサルがあるんですけど、高畑さんはセリフを覚えてらして、本当にすごいと感じてました。疲れがたまってくることもあると思うのに、細かく役のことを考えて表現されていて勉強になりました」。あるべき姿勢を学んだ杉咲は「自分も最後まで丁寧に演じていけたら」とうなずいた。

 約10カ月間の撮影中は、主に大阪での滞在となる。長丁場となるが、「体力には割と自信がある方。ご飯が食べられたら、元気が出る人間なので。今はたこ焼きが食べたいです」と不安は見せなかった。22歳のフレッシュなヒロインが、東京五輪後の日本の朝をさわやかに彩りそうだ。

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