【悼む】八千草薫さん、笑顔の裏に貫かれた仕事への厳しさ

 かれんで上品な雰囲気で親しまれ、テレビドラマ「岸辺のアルバム」をはじめ映画、舞台と幅広く活躍した女優の八千草薫(やちぐさ・かおる、本名谷口瞳=たにぐち・ひとみ)さんが24日午前7時45分、すい臓がんのため東京都内の病院で死去した。88歳。大阪市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。今年2月にがんを公表、治療に専念していた。

  ◇  ◇ 

 八千草さんは、昭和7年生まれの私より1歳上である。同世代の男にとっては若い頃から「美人」の代名詞のような女優さんであり、憧れの存在だった。

 そんな八千草さんと、私が50歳くらいの頃にホテルのロビーで取材する機会に恵まれた。映画担当記者として、お姿を拝見する機会はあったが、一対一でお会いしたのはその時が最初で、そして最後になってしまった。

 とにかく、とても優しくて、常にニコニコされていた記憶が残っている。八千草さんも50を過ぎておられたわけだが、年齢を感じさせない美しさをいつまでも保っておられた。

 取材後、映画会社の宣伝担当者から「八千草さんは映画の宣伝に対して大変、厳しい意見を言われる女優さん。仕事に対して非常に厳しい人です」と伝えられたことが強く印象に残っている。優しさの裏にあった、プロとしての厳しさ。確かに、柔和な笑顔の中にも、芯の強さのようなものが貫かれていた。(デイリースポーツOB・島久夫)

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