佐藤しのぶさん死去、61歳 日本を代表する人気ソプラノ歌手 公演中止発表8日後に…
日本を代表する人気ソプラノ歌手で、紅白歌合戦にも出場するなど幅広く活躍し、オペラを一般に浸透させた声楽家・佐藤しのぶ(さとう・しのぶ、本名現田しのぶ=げんだ・しのぶ)さんが9月29日に死去していたことが3日、分かった。所属事務所がホームページで発表した。61歳。東京都出身。葬儀・告別式は2日に近親者で行った。後日お別れの会を開く予定。夫は指揮者の現田茂夫(げんだ・しげお)さん。
佐藤さんは、今年5月12日に、東京オペラシティコンサートホールで、25回目の開催となる恒例の「佐藤しのぶ 母の日に贈るコンサート」に出演。8月4日に栃木・宇都宮市文化会館小ホールでリサイタルを行った。しかしその後、9月24日に、体調不良のため10月から来年1月のコンサート出演を取りやめると発表。わずか8日後に帰らぬ人となった。
佐藤さんは国立音大を卒業後、文化庁の研修所で学び、1984年、二期会の「メリー・ウィドウ」「椿姫」でデビュー。文化庁の派遣でイタリアのミラノに留学。華やかな存在感と豊かな歌唱で、ウィーン国立歌劇場、東京の新国立劇場など、国内外の舞台で活躍した。99年、チェコのプラハで世界首脳が列席して開催された「ビロード革命10周年記念演奏会」に出演した際のニュース映像は世界中で放映された。
87年からは4年連続でNHK紅白歌合戦に出場し、オペラファンの拡大に一役買った。93年公開の映画「わが愛の譜 滝廉太郎物語」ではオペラ歌手・柴田環さんを演じるなど、他分野でも活躍した。日本を代表するプリマドンナとして広く親しまれていた。
09年4月には「天皇皇后両陛下ご成婚50周年&ご即位20周年記念コンサート」、同年11月には「天皇陛下御即位二十年をお祝いする国民祭典」に出演した。2014年には團伊玖磨氏のオペラ「夕鶴」のつう役を演じ、話題を集めた。
文化放送音楽賞、都民文化栄誉章、ジロー・オペラ賞大賞、マドモアゼル・パルファム賞などを受賞。慈善活動にも尽力し、CD・書籍の収益は厳しい環境下に生きる子供たちのために寄付していた。
