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ニッポン放送・吉田尚記アナが「バーチャルMC」一翔剣を生んだ理由

 局アナとは放送局勤めのアナウンサーのこと。Vtuber(ブイチューバー)と言えば、CGアニメ画などのキャラクターを前面に立ててYoutube(ユーチューブ)で活動する人のこと。では、この2つが合体したら…。そんな挑戦をしているのがニッポン放送の吉田尚記アナウンサーだ。同局の名物アナは何を思い、何を目指してバーチャルな世界に飛び込んでいるのか。インタビューを上下の2回に渡ってまとめた。今回は【上】。

 平日夜、ニッポン放送の某スタジオに、両手にセンサーを兼ねたコントローラーを持ち、顔半分が隠れるゴーグルをつけた吉田アナが姿を現す。傍らにはハイスペックなPCが用意され、モニターには若い男性のキャラクターが映し出されている。このキャラの名前は一翔剣(いっしょう・けん)。「ミューコミプラス」(月~木曜、深夜0時)のパーソナリティーを務める「バーチャルMC」だ。

 一翔剣は名刺もあるニッポン放送所属の21歳“新人”だ。とはいえ、命を吹き込んでいるのは吉田アナ。今春から番組で名前を名乗り、5月末から本格的にユーチューブ上にチャンネルを持って、ラジオ放送とは別に一翔剣が画面に登場する動画配信も始めた。“上司”である副部長の吉田アナはしみじみと話す。

 「全部新しくて、全部こんなんなるんだ(という経験)なんですけど…。まず放送の時に、今までは自分がどこでどう座っているか意識したことがないです。スタジオのテーブルの上の物の数が尋常じゃなくなってる」

 どこに座るか意識するのは、センサーを持った吉田アナの向きや位置で一翔剣の向きや画面上の立ち位置が変わるから。画面つきゴーグルをつけて外界の視野を遮断したため、初回の動画配信では開始直後にコーヒーをカフ(音声スイッチ)にぶちまけてしまったという。

 もともと、アニメや漫画、ゲームといったサブカルに造詣が深く、言い換えると“ヲタク”な吉田アナ。サブカル方面のイベント司会も多く務めるうちに人脈が広がった。ある日、「電脳少女シロ」というテレビ出演もしているVチューバーに、吉田アナもVチューバー化することを提案された。「(自分は)美少女ではなかったんですけど」と冷静に受け止めつつも「確かにバーチャルはこれから広がるな」と“採用活動”を始めた。

 「顔」になるキャラクターづくりは吉田アナの知人でもあるクリエイターグループの「HoneyWorks」からヤマコ氏に依頼した。著作権などの関係でネット上ではそのまま流せないラジオ放送上の楽曲部分は、フリーランスで活動する音楽ユニット・ONIGAWARAに“ネットでしか聴けない”ことを表現する“吹き替え用”曲を作ってもらって流している。

 なぜ、わざわざこんな試みをするのか。吉田アナは「今の子たちって、めっちゃユーチューブを見ているんですよ。驚くほど」と言い切る。純粋にラジオを聴いてほしい。若者達が一番ラジオに触れる場所はどこかと考えた時に、それがユーチューブだった。「ラジオ自体を聞いてほしいんです。本来は。だったら、向こう(=リスナー)に合わせないといけない」。ネットでラジオが聞ける「ラジコ」では動画は流せない。「ミューコミプラス」ならでは、そして吉田アナならではの試みが「Vチューバー」だった。

 「こんばんは。バーチャルMC、一翔剣です」。バーチャルな世界から、今夜も生の声を届ける。

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