NGT加藤の“誤爆”が示した致命的な断絶

 ある意味、前代未聞のアイドルグループになってしまった。18日の公演で、メンバーの山口真帆(23)ら3人が卒業したNGT48。そこで一区切りかと思いきや、さらに騒動は拡大の動きを見せている。

 20日、荻野由佳(20)に対する殺害予告を行った男が逮捕された。そして21日には加藤美南(20)が、投稿したインスタグラムの「ストーリー」が不適切として、研究生への降格処分を受けた。荻野の事件については、明確な犯罪。どんな理由があっても、許されることではない。一方、加藤に関しては、NGT48というグループが抱える“闇”を顕著に表した例だと言える。

 加藤のインスタグラムは、ネイルサロンで撮影したもの。画像にはテレビが映っており、山口の卒業公演についての放送が流れていた。そして加藤は「せっかくネイルしてるのにチャンネル変えてほしい」とコメント。流れている内容について、間違いなくネガティブな感情を持っていることを示した。

 以前にコラムで、根拠のない過度の犯人捜しを批判した。その思いは、現在も変わっていない。だが、今回の加藤の件に関しては、いささか状況が違う。「加藤自身」が、「山口の卒業公演を扱った番組」について、「チャンネルを変えてほしい」と不快感を表したことを、運営側が認定し、「研究生降格」という処分を下したという、絶対的な事実があるからだ。

 加藤は投稿について「悲しい気持ちになってしまい、友達だけに公開しようと」と理由を説明した。「悲しい」が指すものは不明瞭だが、仮に仲の良いメンバーの卒業自体が悲しいのであれば、公開範囲は友達だけである必要はないし、削除する必要もない。加えて、最近の状況を考えれば、誤解を招きかねない表現は徹底的に慎むのが、普通の姿だ。本当に意図していない形になったのなら、それは「軽率」というレベルではないように思える。

 そして今回も運営側は、「不適切な投稿」と降格処分だけで発表を終わらせた。発足当時にセンターポジションに立ち、チームN3のキャプテンも務めていた加藤を研究生に降格させるというのは、グループとしても相当の処分。だが、「何が、どのように不適切なのか」という取材に対しては、回答がなかった。その部分の説明がなされなければ、根本的なところが曖昧なまま。全員のSNSを停止したところで、問題の解決にはつながらない。

 山口は卒業の翌日、有料会員向けのメールで、卒業公演について歌詞を最重要視したこと、そして欅坂46の「黒い羊」を「どうしてもやりたかった」ことを明かしたという。致命的な断絶をうかがわせる「そうだ僕だけがいなくなればいいんだ そうすれば止まっていた針はまた動きだすんだろう?」という歌詞。これが山口の言いたかったことならば、加藤の騒動はそれを裏付けてしまったと言っても過言ではないだろう。(デイリースポーツ・福島大輔)

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