「妻に捧げた1778話」の眉村卓氏 妻ロスを告白「持ってるものの半分がなくなった」
ベストセラー「妻に捧げた1778話」で知られるSF小説の巨匠・眉村卓氏(84)が26日放送のTBS系「爆報!THEフライデー」に出演し、“妻ロス”の日々について告白した。
眉村氏は「なぞの転校生」、「ねらわれた学園」などのジュブナイルSFや「司政官」シリーズなどのハードSFで知られる。
1997年春、62歳だった妻・悦子さんが進行性大腸がんで余命1年と宣告され、眉村氏は笑うことで悦子さんの免疫力を高めようと、悦子さんのために1日1話のショートショートを執筆した。
悦子さんは2002年5月28日に67歳で死去。1年のはずの余命は5年になっていた。悦子さんのために執筆したショートショートから19編を選び、闘病生活と結婚生活を振り返るエッセイと合わせた「妻に捧げた1778話」はベストセラーとなり、11年に当時SMAPの草なぎ剛主演で「僕と妻の1778の物語」として映画化された。
悦子さんを失った眉村氏はパチンコ三昧の日々を送るなど、「(新作を)書いて発表しても読んで何か言ってくれる人がいないでしょ。自分の持ってるものの半分がどっかにね、なくなった感じ。これはかなりダメージありますよ」という妻ロス状態に。それでも、妻の生前同様に小説を執筆し続けるうちに、妻ロスから抜け出せたという。
7年前に食道がんの手術を受けたという眉村氏は、かすれ声で「(悦子さんは)今頃、苦笑いしてるでしょうね。『よくやってるつもりだろうけど、さっぱりやな』と思ってますよ」と語り、笑顔を見せていた。