山本達彦インタビュー(前)残りの人生は心地よい、美しいものにささげたい

 シンガー・ソングライターの山本達彦(65)が23日、神奈川のモーション・ブルー・ヨコハマからツアー「The Trio 2019」をスタートさせる。1980年代にシティ・ポップスの旗手として数々のヒットを飛ばし、デビュー40周年を迎えた昨年はユニバーサルから4枚組BOX「Life In Music」をリリース。今なお精力的に活動する山本が語る“Life In Music”、その前編をお届けする。

  ◇  ◇

 山本は40年という歳月を「ものすごくあっという間の月日でした。後悔はないけど、その都度、作った後で反省したり、自分で修正したりして、そんなことの繰り返しの40年でした。試行錯誤しながら音楽人生を歩んできた。いいかなと思ったら満足していないな、そんなことの繰り返しでした。自分を高めていって熟成させて、気付いたら40年」と振り返った。

 今月4日で65歳になった。「60代になって、年齢を意識したというより、作りたい音楽、皆さんが聴きたい曲を作りたい」のが現在の心境という。2013年、「一度だけ健康に自信をなくした」ことが契機だった。

 「メンタリティーが落ちて、自分の性格は気丈だと思っていたけどそうではなかった。健康はものごとの根本だと初めて思って。目から鱗(うろこ)が落ちた。それも回復して、これから折り返し地点。絞り込み、求めていくものがもっとはっきり見えてきた気がしました」という。

 求めていくものとは「心地よいメロディーとか、サウンドとか歌とか」であり、「心地よさ、心地よいものを好きだったなって思って。パンチや主張より、心地よい、美しいものを求めたい。残りの人生はそういうものに身をささげたい」と思い至った。

 今回のツアー「ザ・トリオ」は、昨年から取り組む、ベースの戸川智章、ドラムスの江野尻知宏とのトリオによるライブだ。

 「トライアル」の昨年は「皆さんが80年代に耳になじんだCMソングだったり、一般的な曲」を多く入れた選曲だった。今年は「ボサノバ、ジャズテイストのナンバーが多くなって、ソフト&メロウに回帰」し、「それにプラスして、大学時代に影響を受けた70年代のAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)、ソフト&メロウの名曲を今回は何曲かセレクト」したセットリストになるという。(続く)

 【フーズフー】

 山本達彦(やまもと・たつひこ)1954年3月4日生まれ、東京都出身。小2の時に東京少年少女合唱隊に参加、米ツアーを行い「エド・サリバン・ショー」に出演。高校時代は同級生の渡辺香津美とバンドを組む。74年、成蹊大在学中に「オレンジ」結成。シングル「翼のない天使」をリリース。78年、アルファと契約し、かまやつひろし、研ナオコ、郷ひろみらに楽曲を提供。同年9月、シングル「突風~サドゥン・ウインド」でソロデビュー。82年、アルバム「MARTINI HOUR」がオリコンチャート初登場2位。主な楽曲に「ある日この夏」、「サンライズ・ハイウェイ」、「夏の愛人」など。99年、レーベル「サイレンス」設立。

 【ツアー日程】

 ◇3月23日(土)神奈川・モーション・ブルー・ヨコハマ

 ◇4月4日(木)名古屋ブルーノート

 ◇4月5日(金)ビルボードライブ大阪

 ◇4月26日(金)東京・南青山マンダラ

 ◇4月27日(土)東京・南青山マンダラ

 ◇5月18日 千葉・ライブハウスMT Milly’s

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