大阪府警・富田林署とんだ失態 凶悪犯人脱走 接見室にはカギかけず

 大阪府富田林市の河川敷を捜索する捜査員
 樋田淳也容疑者
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 大阪府警富田林署から12日夜に逃げ出したとして、加重逃走容疑で無職・樋田淳也容疑者(30)が指名手配された事件で、逃走発覚の約1時間45分前に弁護士の接見が終わっていたことが13日、分かった。

 この間に逃走したとみられるが、府民にメールサービスで注意喚起したのは約9時間後の13日午前6時28分。府警は「不安を助長しないように事実確認を優先させた」としたが、市民からは怒りの声が上がった。同署では、接見室の扉が開くと音が鳴るブザー装置の電池を抜き取っていた。

 樋田容疑者は12日夜、富田林署2階にある接見室のアクリル板を押し破り、弁護士側の扉から署内を抜けて逃走したとみられる。扉は施錠されていなかった。弁護士の面会は12日午後8時ごろ終了。署員が接見室に入り、誰もいないのに気付いたのは9時45分ごろ。富田林署は「いつ逃げられたのか分からない」としている。

 扉には開くとブザーが鳴る装置があったが、同署は「接見終了時に弁護士が署員に声を掛けることが多いため不要」として電池を抜いていた。勾留中の容疑者からブザーの音がうるさいとクレームがあったため、抜いた可能性があるとしている。電池を抜いていたのは、府内65署のうち富田林署だけだった。

 府警は13日、3千人態勢で逃走した容疑者を捜索。何台ものパトカーが市内を警戒して回り、河川敷では、機動隊員が1メートル以上ある雑草を長い棒でかき分けたり、川辺をのぞき込んだ。

 市民らは不安を隠せない。河川敷まで見に来た同市の小学4年の男子児童(9)は「警察はちゃんと捕まえてほしい」。報道で事件を知ったという同市の女性(74)は「追い詰められた容疑者が犯罪を起こすかもしれない」と語った。近くに住む無職女性(78)は「長時間、逃げたことに気付かなかった警察に驚いた。もう遠くにいるのでは」。20代の女性会社員は「性犯罪の容疑者が逃走するなんて怖い。早く捕まえて」と訴えた。

 樋田容疑者は20代女性に対する強制性交や強盗傷害などの容疑で計4回逮捕された。

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