津川雅彦さん波瀾万丈の人生に幕…名優の訃報に芸能界が泣いた

 卓越した演技力で日本演劇界に君臨し、「マキノ雅彦」の名前で映画監督としても活躍した津川雅彦(つがわ・まさひこ=本名・加藤雅彦)さんが今月4日、心不全のため死去した。78歳。

 4月27日に妻で女優の朝丘雪路さん(享年82)を亡くしてからちょうど100日で、最愛の妻が待つ天国に旅立った。葬儀は近親者で済ませており、後日、朝丘さんと合同でのお別れの会を行う予定。三田佳子、木村佳乃ら多くの共演者が、故人をしのんだ。

    ◇     ◇

 石原まき子さん(俳優・石原裕次郎さんの妻で石原プロ会長。北原三枝時代に映画「狂った果実」で共演)「ご病気になられて、気に掛けておりました。大変残念です。お悔やみ申し上げます」

 西田敏行(監督作品「旭山動物園物語」に主演)「作品ごとに違う津川雅彦さんを目の当たりにして、底知れぬパワーに驚愕(きょうがく)しました。そして本当に大人でした。巨星落つ。先輩ありがとうございました」

 三田佳子(映画「別れぬ理由」で共演)「1歳違いの津川さんとは、同じ映画の世界で育ち、同じ時代の流れの中を生きてきました。最近、体調を崩されていることは知っていましたが、仕事に入ると全てを乗り越えまい進される方でしたので、きっとまた良いお仕事を見せてくださると信じていました。残念でなりません」

 東山紀之(NHK BSドラマ「大岡越前」やテレビ朝日「必殺仕事人2010」などで共演)「時には厳しく、時には優しい言葉で、俳優こそ知性を磨く努力が必要だと、いつも教えられてきました。本当の父親以上の存在でした。今頃は朝丘さんと仲良く手をつないでいるかな。お二人には感謝しかありません。津川さんの意思を継いでいきます」

 木村佳乃(監督2作品に出演し、ドラマでも共演)「津川さん 女優としても、女性としても伸び悩んでいる時、手を差し伸べてくださったのが津川さんでした。未熟なのに向こう気だけは強い私を優しく受け入れ沢山のことを教えて下さりました。ご一緒させていただき、本当に本当に楽しかったです」

 高橋克典(TBS系「サラリーマン金太郎」で共演)「まぎれもない僕の俳優人生の恩人です。役作りの綿密さ、俳優としてのこれからのこと、まだまだいずれお話したいと思っていたことがたくさんありました。やはり大きな存在だったので、ものすごく大きな穴が突然空いた感じだし、本当に残念です」

 本郷奏多(ドラマ「アカギ」で共演)「何歳になられても最前線でお芝居をしてらっしゃる姿、本当に尊敬しておりました。撮影現場でも常に気に掛けてくださり、とても優しい津川さんが大好きでした」

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