フィギュアスケート男子の２０１４年ソチ五輪銅メダリスト、デニス・テンさん（２５）＝カザフスタン＝が１９日、母国のアルマトイ市内で暴漢２人に刺殺された事件で、フジテレビの三田友梨佳アナウンサー（３１）が２０日、同局系の生番組「直撃ＬＩＶＥグッディ！」でテンさんを悼んだ。

　フィギュアを６年間、取材した経験がある三田アナは「何度もデニス・テン選手にもインタビューしました。その中で、リンク上でもバックステージでも本当に気品あふれる選手で、いつも礼儀正しいんですね。カザフスタン…自分のためではなくて、カザフスタンの今後のために頑張るという強い意志をずっと感じていました」「アイスショーで稼いだ資金をこれからの育成にも使っていたりして、本当にカザフスタンという国を背負って頑張っている選手だった」と、テンさんの品格ある人柄を回想。

　車のミラーを盗もうとした暴漢に刺殺されたことに「ものすごく、本当に礼儀正しくて、例えば練習を見ていても、決して手を抜くことなく、しっかりと努力をされる人で、正義感も強いと思うんですよ。そういう（泥棒をとがめる）こともあったんじゃないかと思います」と、テンさんの真面目さが災いしたという見方を示した。

　「世界のフィギュアスケートの大会には本当にいつもいる存在で、これからそのデニス・テン選手がいないっていうのが、本当に信じられないし信じたくないっていう気持ちで私もいっぱいですし。フィギュアスケートの選手っていうのは国を超えて皆さん仲がいいので、仲間の死っていうのは悲しみが計り知れないですし、世界中のフィギュアスケートファンも、本当につらい事件だと思います」と、テンさんの悲劇的な死を悲しんだ。

　テンさんは朝鮮系カザフスタン人。ソチではＳＰ９位からフリーで圧巻の演技を見せ、羽生結弦、パトリック・チャンに次ぐ銅メダルを獲得。カザフスタンにフィギュアスケートで初めてメダルをもたらした英雄だった。