桂歌丸さん“横浜葬”で旅立つ 生涯愛し続けた生まれ故郷から 祭壇は海をイメージ

 2日に亡くなった桂歌丸さん
 弔問に訪れた三遊亭円楽=横浜市内(撮影・棚橋慶太)
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 今月2日に慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため亡くなった落語家の桂歌丸(本名・椎名巌=しいな・いわお)さん(享年81)の葬儀が10日、横浜市内の斎場で営まれ、三遊亭円楽(68)や桂米助(70)ら約50人が参列した。11日には椎名家と落語芸術協会との合同のお別れ会(告別式)が横浜・妙蓮寺で執り行われる。地元を愛し、愛された男が“横浜葬”で天国へ旅立つ。

 お茶の間に笑いを届けた立役者は、最期まで横浜の街を愛し続けていた。生家は横浜の妓楼(ぎろう)。下町の雰囲気が残る、横浜・真金町で生まれ育ち、離れることはなかった。訃報を受け、自宅近くの横浜橋商店街には「歌丸師匠、本当にありがとう」と書かれた横断幕が掲げられ、大勢のファンが詰めかけた。

 この日の家族葬には近親者が参列し、別れを惜しんだ。3年ほど前に曹洞宗の得度(出家)式を行い、僧名も持つ円楽は、黒い袈裟姿で姿を見せた。「笑点」でもおなじみの緑色の着物で眠る歌丸さんのひつぎには、趣味の渓流釣りの釣りざお、愛用の扇子や手ぬぐいが納められた。

 11日に告別式が行われるのは、横浜・妙蓮寺。同所で準備をしていた葬儀関係者は「出身が横浜で愛着がある。だからこそ、青山葬儀所などの大きな斎場ではなく、手狭ではあるが、愛し続けた、親しみのある街で行いたかった、と聞いています」と横浜にこだわる理由を代弁した。

 祭壇は、港町として栄える横浜から穏やかな波立つ海をイメージ。かすみ草、胡蝶蘭、トルコキキョウなど7~8種類の白と青の花々で波が表現された。緑色の着物で高座に上がり、はにかむ遺影も飾られた。

 告別式では、桂米丸(93)、落語協会会長の柳亭市馬(56)、林家木久扇(80)が弔辞を、友人代表として三遊亭小遊三(71)、歌舞伎俳優の中村吉右衛門(74)があいさつをする。一般の人向けに献花台も設けられ、最後の高座で最後の仕事となった4月19日の国立演芸場での映像が流される予定。

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