“ミスター笑点”歌丸さんの噺家魂、受け継ぐ 死去後「笑点」初収録で誓い

 2日に慢性閉塞性肺疾患のため81歳で死去した落語家・桂歌丸(本名・椎名巌=しいな・いわお)さんがレギュラー出演していた、日本テレビ系の人気演芸番組「笑点」(日曜、後5・30)の収録が7日、東京・後楽園ホールで行われた。歌丸さんの死去後、初めての収録。メンバーは収録後に会見し、歌丸さんへの感謝と、噺家魂を受け継ぐ思いを口にした。

 番組の顔として愛され続けた“ミスター笑点”を失ってから、わずか5日。悲しみの癒えぬまま、レギュラーメンバー8人が、歌丸さんへささげる特番の収録を行った。

 収録後にはメンバー全員で会見。これまでただ1人、ショックが大きすぎてコメントを出せていなかった林家木久扇(80)は「歌丸師匠はいらっしゃらないんですけど、この辺に漂っている感じがいたしまして、不思議な演芸でございました」と収録を振り返り、「幕が下がっちゃった、という感じがいたしました。もうドラマが見られない、そういう感じなんですね…」と寂しげに語った。

 木久扇のみならず、メンバー全員が、まだ歌丸さんの死を受け止め切れていなかった。

 三遊亭好楽(71)は「まだ師匠は楽屋にいる、そして高座にいると感じる」と話し、林家たい平(53)も「今日も『俺の悪口さんざん言いやがって』と言って出てくるんじゃないかと思ってしまった」と涙をこらえた。

 歌丸さんとの掛け合いが番組の名物ともなっていた三遊亭円楽(68)は、「これから自分がだんだんと、師匠の年に近づいていくに従って、寂しさは増してくると思う」としみじみ。「歌丸師匠は僕の思い出の中に生きてくれますし、これからも歌丸師匠と心の中で一緒に生きていきたい。『ありがとうございました』の一言しか言えません」と、歌丸さん魂を受け継ぎ、笑点を、そして落語界を支えていく思いを示した。

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