ウィルコ・ジョンソン、30年ぶりにオリジナル新曲で構成のアルバム発表
パブ・ロック・ムーブメントの代表格である英ロックバンド「ドクター・フィールグッド」の伝説的なギタリストで、現在はソロとして活動している大ベテラン、ウィルコ・ジョンソンが、ニューアルバム「ブロウ・ユア・マインド」を6月15日にリリースすることが12日、発表された。オリジナルの新曲で構成されたアルバムとしては「バーブド・ワイアー・ブルース」(1988年)以来、30年ぶりとなる。
2012年末に末期のすい臓癌と診断されたジョンソンだが、別の医師のサード・オピニオンにより手術を受け、完全復活。「お前はじきに死ぬだろうと言われると、何より生きているって実感できるもんだね」と、ユーモラスに振り返っている。14年、ロジャー・ダルトリー(ザ・フー)との名義で発売したカバー・アルバム「ゴーイング・バック・ホーム」が全英チャート3位を記録、その人気は健在だ。
今作では長年ジョンソンのバックを務めてきたノーマン・ワット・ロイ(ベース)とディラン・ハウ(ドラムズ)が参加。プロデュースは「ゴーイング-」に続いてデイヴ・エリンガが担当した。
テーマは過去5年間に経験した試練の日々で、「マリファナ」や「テイク・イット・イージー」といった曲は、彼が受けた末期癌の告知のことを直接採り上げている。
ジョンソンは「こんなアルバムを作ることになるとは夢にも思わなかった」「こういう歌を録音するつもりは実のところなかったし、自分がスタジオにまた入ることがあるのかどうかさえわからなかった。曲の一つは、あの時期を振り返ったものになっている。夜、家の中で座り込んで、死が迫ってきていることを感じている…という内容でね。その曲も録音したし、アルバムに入る予定。実はかなり元気のいい曲でもあるんだ!」と新作についてコメント。
30年ぶりに書いた歌詞については「70歳にもなると厄介だよ。つまり、この年齢の人間が何を歌えばいいんだい?『愛してるよベイビー、でも君はつれないよね』とかなんとか歌うっていうのかい?まさかな!そういうところがちょっと問題になってくる。でも、自分がその手の歌詞じゃなくて現実の経験を曲にするなんて思ってもいなかった。病気になるまではね」と説明している。
プロデューサーのエリンガは「ウィルコ・ジョンソンのアルバムをもう1枚作ることになるなんて予想もしていなかった。でもウィルコの30年ぶりの新曲を録音できるなんて本当に嬉しいことだったし、本当に特別な仕事だったよ!彼は音楽界を代表する本物の紳士のひとりだ-教養も知性もあるし、考えもはっきりしている。それでいて、めちゃくちゃロックンロールしているんだ!」と、この仕事に感激している。
