7日メジャーデビューの「ましのみ」 「就活まで芽が出なかったらやめる」と決めて

 女性シンガー・ソングライターの「ましのみ」が7日、アルバム「ぺっとぼとリテラシー」でメジャーデビューする。慶応大学商学部3年の20歳。「就活までに芽が出なかったらやめる」と覚悟して臨んだ来し方、そして行く末をデイリースポーツに語った。

  ◇  ◇

 ましのみは幼少時から「歌手になりたい」と思っていたが、「高校生までは『歌手になりたい』と言い出せないかわりに『真面目に勉強を頑張っていこう、そういう人生を歩んでいこう』と思っていた」という。

 行動に移したのは「大学受験が終わったタイミング」。「本当にやりたかったことがあきらめきれなくなって。就活までに芽が出なかったらやめるし、やるならプロになりたいし、本気でやろうと思って」と、自ら期限を切っての挑戦だった。

 初めてのライブは高3の2015年1月、下北沢ロフトで。「完全にmiwaさんの影響ですね」と、慶大の先輩にあたる人気シンガー・ソングライターの名を挙げる。

 「シンガー・ソングライター、歌手へのなり方をずっと調べていたんですけど、シンデレラストーリーしか出てこなくて。私にそれは無理だ!どうしたらいいんだ?と思って。大学生でシンガー・ソングライターができるっていうのを見せてくれたのはmiwaさんだったので、じゃmiwaさんはどうしたんだろうって思ったら、中学生ぐらいの時から自分でブッキングしてライブハウスに出て(経験を)すごい積んでらっしゃるっていうのを見て、その方法論だと思って。こういう人生の選び方もあるんだっていうロールモデルみたいな感じで」

 初ライブは「メチャクチャ」。親バレを恐れてリビングのピアノで練習できず、ギターで練習したが「ギターをやったことなくて、ライブの2週間前から初めてギターをちゃんと触った」という。

 「Fコードが押さえられないのに5曲中3曲ギターのオリジナル曲で。ピックアップも付いていないし、指弾きだから音が全然鳴らないし。出た瞬間にストラップが切れて『わー、ストラップ切れちゃった!』とか言って。直してもらったら『あ、ピック忘れちゃった』みたいな」

 波乱のスタートだったが、「(工夫)しないと時間もないし、と思って」と戦略を練り、動員を増やしていった。16年9月には恵比寿天窓.switchで初のワンマンライブを完売させる。

 「(集客は)はじめが10人とか。SNSで集めたんですよ。1月が(初)ライブだったんですけど、10月か11月ぐらいからインスタとツイッターをやっていて『初ライブですよ来てください』ってやって初ライブ迎えたので。(動員が安定したのは)8月かな。ツイキャス(動画の生配信)をやっていて、見ている人が100人ぐらいになったところから安定し始めたなって」

 本格的に曲作りを始めたのは高3の14年夏。16年3月にはヤマハグループが開催する日本最大規模の音楽コンテストで、約3000組の中からグランプリを獲得した。「就活まで」と切った期限より前、大学1年で結果を出してみせた。

 「体感としてはメチャクチャ長かった。ゴール!みたいな感覚よりかは、やっと1個、みたいな感覚だったので。うれしいっていうよりかは『次、何しよう?何かしなきゃいけない』という感じ」

 自主性の現れでもある焦りは、育成契約を結んでも続いていた。

 「やばい、早くデビュー決めたいっていうのとか。育成契約のうちに私が委ねたらそれで終わるじゃないですか。育成契約に甘えたらスピードが落ちるじゃないですか。せっかく頑張ってきたのに。契約結んだ分、支援していただけることは増えたけど、あくまでも私が主体でスピード落とさずやっていかないとなというのはずっと思っていたので」

 7日にはメジャーデビューとなるが、気持ちは変わらない。

 「メジャーデビューが頂点になるように見えてしまうのもすごくいやだと思っているので、ここからっていうのを見せ方としても強調してやっていかなきゃなと思っていて。今までと変わらずスピードをどんどん上げながらやっていかなきゃな、わーわー、次々みたいな感じで考えています」

 ましのみの音楽は詞も曲もライブも、他の誰にもあまり似ていない独特なもの。「誰かが歌ってることを私が後から出てきて歌っても意味がないな、というのはある」「作品はなるだけ自分にしかできない表現はしたいな」という自覚による。

 目指すアーティスト像を聞いても、「定まってないし、まだ定めたくもなくて、早いなと思っていて」という答えが返ってきた。

 「狭めるのはもったいない。どんどん変わり続けるっていう意味でもどんどん新しいところにも手を出していきつつ、今までのところも忘れずに広がっていけば。出す側はなるべく広い方がいいと思っていて、受け取る側がたくさんある中から選べるように、私はたくさん持っておこうと思ったので、それをなるべく広げて、一つ一つを深くしてってっていうふうにしようと思っているので。だから具体的にここになりたいみたいなのはまだ決めたくないな~というか、まだいいかな、まだやだなと思います」

 ひと味もふた味も違うルーキー・ましのみ、音楽界に春風を吹かせてくれそうだ。

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