はしだのりひこさん 別れの「風」大合唱 杉田二郎「大切に歌い続けます」

 2日にパーキンソン病のため72歳で亡くなった歌手・はしだのりひこ(本名・端田宣彦)さんの葬儀が6日、京都市内で営まれ、歌手・杉田二郎(71)をはじめミュージシャン仲間や友人ら600人が参列した。葬儀では「はしだのりひことシューベルツ」のメンバーだった杉田らがギター演奏し、ヒット曲「風」を全員で合唱。人生と旅をテーマにした名曲で、旅立つはしださんを送った。

 棺に眠るはしださんに、ギターを構えた杉田が「のりちゃん、いくよ」と呼びかけ、参列者全員で「風」の大合唱が始まった。

 特に事前に打ち合わせることなく、別れの日に集まった仲間は、はしださんが作曲した不朽の名曲で送ろうと考えていたという。

 ミュージシャンが祭壇の前に集まってギターを手にし、杉田が「大声で歌って見送りましょう」と提案。歌い終えると会場は拍手に包まれた。杉田は「シューベルツの時は、全国を走り回って歌いました。今も歌ってます。これからも大切に歌い続けます」と天国の先輩に約束した。

 アマチュア時代にはしださんと出会った杉田は「50数年前、僕が右も左も分からない時から『思い切り魂を込めて歌え』とか、簡単に助言をくれる方がいない世界で、いろんなことを教えてくれた方でした」と感謝した。

 シューベルツ時代はグループに、はしださんの軽自動車しかなく、大きな機材を積み、皆で身を縮めて乗り込んだ思い出も。杉田は「信念を貫いて突き進み、プロになった先駆けの人。おいしそうな話があっても『それは違う。俺たちは何をしたいんだ』とズバッと諭してくれました」と振り返った。

 はしださんの長男は、闘病中だったはしださんが4月に杉田らと出演した最後のコンサートを回想。「羽生結弦です」とジョークを飛ばした父が、後で「あのギャグ、ウケてたか?」と何度も聞いてきたことを明かし、「多くの方にお見送りいただき、目立ちたがり屋の父が喜んでいると思います」と感謝していた。

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