狂言師の野村萬斎（５１）が２２日、東京・国立能楽堂で行われた新作狂言「鮎」（１２月２２、２３日）の制作発表会見に出席し、アユを擬人化した演出に「楽しみながらチャレンジングする形にしたい」と意欲を見せた。

　同作は作家・池澤夏樹氏（７２）の短編小説「鮎」を同氏が狂言台本にして、萬斎が演出と主演を務めるもの。同能楽堂では１０年ぶりの新作狂言の初演となる。

　萬斎は「アユが６匹出てきます。串刺し、焼かれるところが出てくるかもしれません。アユが大活躍するのは間違いありません」と、萬斎流の新演出を予告した。

　萬斎のルーツは石川県金沢市で、狂言の舞台にも金沢が登場する。池澤氏も同県白山市の白山麓僻村塾で教授を務めており、「先祖の出身地の話なんですね。麓僻村塾ではアユをたらふくごちそうになって勉強会を重ねました」と明かした。