ムッシュかまやつさん、生涯現役貫く…復活誓い、病室でもギター弾き歌唱

 グループサウンズの「ザ・スパイダース」元メンバーでミュージシャンのムッシュかまやつ(本名釜萢弘=かまやつ・ひろし)さんが膵(すい)がんのため、1日午後6時5分、都内の病院で亡くなったことが2日、分かった。78歳。かまやつさんは2015年9月に膵がんの手術を受け、昨年5月に肝臓がんが見つかり9月に公表。同12月には盟友の堺正章(70)の古希記念ライブに参加するなど生涯現役を貫いた。葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を行うという。また、夫人も最近亡くなっていたことが明らかになった。

 かまやつさんに膵がんが見つかったのは一昨年の9月。手術を受けいったん症状は落ち着いていたが、昨年5月に受けた検査で肝臓がんが発覚した。その後は手術を行わず、入退院を繰り返しながら抗がん剤などによる治療を受けていた。

 がんを隠し闘病を続けていたが、同年8月23日には脱水のため緊急搬送され、入院。予定していたライブ出演を中止し、同9月6日に肝臓がんを公表した。この時は「絶対復活するから」と復帰への強い意志を示していた。

 同年10月31日には退院。その後はいとこの歌手・森山良子(69)の自宅に滞在しながら、通院していたが、今年1月10日に再び入院。今月1日に帰らぬ人となった。

 かまやつさんが最後公の場に姿を見せたのは、昨年12月8日、堺の古希記念ライブだった。客席後方で見守っていたが、堺に呼ばれステージに上がった。左耳の不調を訴えつつも、堺と2人でスパイダースの「サマー・ガール」を熱唱。闘病中とは思えない力強い歌声を披露していた。

 かまやつさんは日本ジャズ界の草分けとして活躍したティーブ釜萢さんの長男。カントリー&ウエスタンのバンドで米軍キャンプを回りながら音楽活動を開始した。60年代前半にスパイダースに加入し、ギターとボーカルを担当。「バンバンバン」「あの時君は若かった」などのヒット曲を連発した。70年の解散後もソロとして活動。吉田拓郎が作詞・作曲し、バンカラな大学生の姿を歌った「我が良き友よ」などのヒット曲を生み出した。

 日本のロックの草分け的存在でありながら、13年に60以上の年の差バンド「LIFE IS GROOVE」を結成するなど、音楽への情熱を失うことはなかった。森山によると、病室でもギターを弾きながら歌うなどしており、人生の最後の最後まで傍らに音楽があった。

 笑顔を絶やさない人柄でも知られており、スパイダースのメンバーだった井上順が「怒った姿を一度も見たことがありません」というほど。誰にでも笑顔で接し、誰からも好かれる人物だった。

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