松ケン20キロ増量実った 夭折の棋士役で初の栄冠、ブルーリボン主演男優賞

 主演男優賞を受賞した松山ケンイチ
 第59回ブルーリボン賞の一覧
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 東京映画記者会(デイリースポーツなど在京7紙で構成)が制定する「第59回ブルーリボン賞」が、25日までに決定した。「聖の青春」と「珍遊記-太郎とゆかいな仲間たち-」など、振れ幅の大きい作品に出演した松山ケンイチ(31)が主演男優賞を獲得。「後妻業の女」で憎めない悪女を演じた大竹しのぶ(59)が主演女優賞に輝いた。授賞式は2月8日に東京・内幸町のイイノホールで開催される。 

 「どこかで自分は役者として死んだんじゃないかという思いがあった」。デビューから15年、圧倒的な演技力で銀幕を魅了してきたが、その感想を問われ、衝撃的な言葉が飛び出した。

 「結婚して子どもができて、映画よりもっとすごいエンターテインメントが現れてしまったので、どうやってこの仕事に向き合っていくか、ずっと悩んでいた」と吐露。全ての役に己を没頭させる“憑依型俳優”にとって、11年4月に女優の小雪(40)と結婚し、3人の子供をもうけたことが、その感性に影響を与えていた。

 「どんどんいろんなものを取り込んで、役でアウトプットするというやり方をやってきたけど、アウトプットを全部子どもに対してやっちゃった。いろんな役をいただいても、どう表現したらいいかわからなくなっちゃった」。初めて経験する袋小路への悩みは深かった。そんな中、幼少時から病と闘い、名人位獲得という夢半ばの29歳で早逝したプロ棋士・村山聖さんを演じた今作は、大きな転機となった。

 「命を使い切ったというところで、生き物としての美しさを感じた」と村山さんの姿に魂を揺さぶられ「食べて寝るだけ」という増量法で、3カ月で20キロ太り、体型から乗り移った。

 「役者として、ずっと『叫びたい!』と思ってきた。久しぶりに叫ぶことができた。改めてフラットな気持ちで仕事に向き合えたんじゃないかな」と、満足そうに振り返った。

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