プリンスさん謎の死 自宅内で発見

 「パープル・レイン」など数々のヒット曲で知られ、世界の音楽シーンで一時代を築いた米人気歌手プリンスさんが21日、米中西部ミネソタ州ミネアポリス近郊の自宅で意識不明の状態で見つかり、間もなく死亡が確認された。57歳だった。米メディアが伝えた。昨年末にニューアルバムを発表したばかりの衰え知らずな“殿下”が迎えたナゾの急死。バラク・オバマ米大統領(54)が追悼声明を出すなど、世界が衝撃に包まれた。

 プリンスさんが見つかったのは、音楽スタジオを兼ねた自宅「ペイズリー・パーク」のエレベーター内だった。午前9時43分に発見され、10時7分に死亡が確認された。死因など詳細は報じられていない。捜査当局が死因などを調べている。

 プリンスさんは今月上旬、コンサートをインフルエンザで延期したが、CNNなどはプリンスさんが16日、同所でのパーティーでファンの前に姿を見せていたと報じている。

 米ニュース各局は、大統領選候補指名争いなど他のニュースを大幅に減らし、過去のプリンスさんの映像を長時間流すなど、急死を大きく報じた。自宅周辺には死を悼むファンが集まった。

 プリンスさんは1978年にデビュー。27種類の楽器を操り、作詞・作曲・編曲・歌唱・演奏・プロデュースの全てを自身で行う天才ぶりを、当初から発揮していた。

 79年のシングル「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」が全米11位とヒットして脚光を浴び、アルバム「1999」(82年)が83年の全米年間5位、自伝的主演映画のサントラ「パープル・レイン」(84年)が全米24週連続首位を獲得。世界的スーパースターとなった。

 両性的でセクシャルなビジュアル、過激な歌詞、ロックやソウル、ファンクなど多様なジャンルを融合した革新的で豊かな音楽性でカリスマ的存在に。同じ58年生まれの故マイケル・ジャクソンさんやマドンナ(57)と音楽界をけん引し、世界中のアーティストに多大な影響を及ぼした。

 92年、男女のシンボルマークを組み合わせたような記号をアーティスト名として話題を呼んだ。黒人ミュージシャンとして人種差別問題にも取り組んだ。

 グラミー賞を7回受賞するなど受賞多数。04年にロックの殿堂入りした。近年も精力的に活動し、多様な発表形態を採用。2014年にアルバム2枚を同時発売し、15年末にはニューアルバム「ヒット・アンド・ラン フェーズ・ツー」を発表したばかりだった。

 日本でも「殿下」の愛称で人気を博し、たびたび来日公演を開催。歌手の及川光博(46)らに影響を与えた。

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