北朝鮮、予告なし初の「水爆実験」 

 北朝鮮は6日、初の水爆実験を同日午前10時(日本時間同10時半)に「安全かつ完璧に」実施し、成功したと「特別重大報道」で発表した。4回目の核実験で、金正恩(キムジョンウン)第1書記の体制下では2013年に続き2回目。北東部咸鏡北道豊渓里の実験場で行ったとみられる。核開発技術の「向上」を誇示、米国に無条件対話再開などの譲歩を迫り、金第1書記の権威を高める狙いがある。水爆との主張には懐疑的な見方があり、各国が分析を進めている。

 水爆実験が事実なら、北朝鮮の核の脅威がさらに深刻化する恐れがあり、日米韓や中国など国際社会は安保理決議を無視した強硬姿勢を強く非難。日本政府は国家安全保障会議(NSC)会合を開催。安倍首相は「重大な脅威で、断じて容認できない」と述べた。拉致問題解決へ日朝交渉を続ける安倍政権は難しい判断を迫られそうだ。

 朝鮮中央通信によると、金第1書記が昨年12月15日、水爆実験実施の命令を出し、今月3日に最終命令書に署名。朝鮮中央テレビは6日、署名する写真を公開した。

 韓国の情報機関、国家情報院は6日、爆発の規模は3回目の核実験よりも小さい6・0キロトンで、水爆実験でない可能性があると国会に報告。米韓の専門家は核融合反応を部分的に使って威力を高めた水爆の前段階に当たる「ブースト型」原爆の可能性を指摘した。

 北朝鮮は政府声明で、水爆実験は米国の核の脅威から国の自主権と民族の生存権を守るための「自衛的措置だ」と主張。「米国の対北朝鮮敵視政策が根絶されない限り、核開発中断や核放棄は絶対にあり得ない」と表明し「最強の核抑止力を備えた」と誇示した。

 金第1書記は昨年12月、水爆保有を表明。核実験場で新たな坑道掘削の動きが確認されていた。過去3回の核実験で北朝鮮は「予告」を行ったが、今回、予告報道はなく、中国外務省は北朝鮮側から事前通知はなかったと明らかにした。

 日本の気象庁によると、北朝鮮の発表に先立ち、同国北東部で日本時間6日午前10時半ごろ、マグニチュード(M)5・0の揺れがあった。

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