古舘伊知郎 報ステ降板会見、自説展開

 フリーアナウンサーの古舘伊知郎(61)が、メーンキャスターを務めるテレビ朝日の報道番組「報道ステーション」(月~金曜、後9・54)を来年3月いっぱいで降板すると24日、同局から発表された。古舘は都内の同局で会見を行い、出演者の発言をめぐり、自民党から同局幹部が事情聴取を受けた問題と降板との関連性を否定したうえで「キャスターは基本的に反権力の側面がある。全く純粋な中立公正はあり得ない」と自説を展開した。

 古館は2004年4月から約12年にわたり「報道ステーション」のメーンキャスターを担当してきた。テレビ朝日によると、23日までの放送回数は2960回で、平均視聴率は13・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークしているという。古舘は降板を「今から2年ぐらい前にお願いした」と説明し「今年の夏ごろ、(再度)辞めさせてほしいと申し出た。辞めたいと思って辞めさせていただくのが正直なところ」と笑顔を浮かべた。

 今年3月には、元経済産業省官僚の古賀茂明氏(60)が、自身の降板をめぐって番組中に菅義偉官房長官や官邸などを批判。「官邸からバッシングを受けてきた」などと発言し、自民党から同局幹部が事情聴取を受け、政権与党の「圧力」が論議を呼んだ。古舘は出演者の発言と降板の関連性を否定した上で「基本的にニュースキャスターというのは反権力であり反暴力であり、言論の自由を守るという側面があるので、あまり偏ってはいけないとはいえ、まったく純粋な公正中立というのはありえないと思います」と自説を展開した。

 番組は来年4月以降も継続し、後任は調整中。古舘は「僕のようにあまり問題発言をしない人がいいんじゃないでしょうかね…。今日もネットを見てたら『古舘降板だってさ、やったぜ!』っていうのがありました。考えてみると、目いっぱい口汚くののしってくれた方に育てられたなという思いは正直あります」と批判をバネに戦ってきた12年間を振り返った。

 降板後は具体的な予定はなく、会見で「不自由な12年間でした」と口にした古舘は「唯一やりたいのは、しゃべり倒したいということ」と話した。

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